伝説のゲームに学ぶマーケティングの心理学ツァイガルニク効果とは

    From:西田貴大

    20年前の伝説の超大作の続編を購入♪

    つい先日、『シェンムーⅢ』
    というゲームを買いました。

    いや、なんかまぁ
    そんなゲームをやる時間なんて
    全然ないんだけど・・・

    サマーセールで
    ダウンロード版が60%オフ
    だったもんで、

    落ち着いたらやろうと思って
    ついつい買ってしまいました。
    (中古で買うより安かったし、
    ゲームをクリアして売っても
    二束三文だろうから・・・)

    マーケティング的に
    かなり役立つ心理があるので、
    思い出とともに解説していきます!

    こういうセール・・・

    マーケッターなのに、
    ついつい引っかかって
    買っちゃうんですよね。

    で、このシェンムーⅢなんですけど・・・

    僕の思い出のゲーム
    というのもあるんですが、

    開発されるまでの経緯に
    ビジネスでめちゃめちゃ役立つ
    マーケティングの心理が
    使われていたので、

    今日は、思い出話とともに、
    その心理について
    詳しく解説していこうと思います。

    伝説のゲーム『シェンムー』とは?

    では、まず本題に入る前に
    僕の思い出話から(笑)

    このシェンムーというゲームは、

    僕が小学生のころ(21年前)に
    第一作目となる
    『シェンムー 一章 横須賀』
    が発売されます。

    で、その当時、話題を呼んだのが
    セガが総製作費70億円を投じて
    作った超大作だということ
    (広告費なども含めた
    数字だという話もありますが・・・)

    そして、その莫大な製作費で
    当時の最先端の技術を導入し、

    ハリウッドなどから
    最高峰の人材を集めて
    作られたといいます。

    で、そんな最高峰の技術を結集して
    制作されたこの作品は・・・

    大ヒット・・・することなく
    普通にコケます(笑)

    ですが・・・
    スティーブン・スピルバーグが
    絶賛するなど、

    業界人に高く評価され、
    現代のゲームに
    多大な影響を残しました。

    僕も小学生当時、
    その面白さに
    学校から帰ったら
    寝るまでやり続け、

    クリアしても
    また最初から始めて、
    このゲームを
    何週も何週もプレイしました。

    (今にして思えば、
    このゲームがドリームキャストという
    大コケしたゲーム機ではなく、

    プレイステーションで
    発売されていたなら・・・
    あそこまでコケることは
    なかっただろうと思います)

    『シェンムー 一章』のストーリー

    そうそう、
    肝心のこのゲームの
    ストーリーなんですが・・・

    ざっくり言うと、

    18歳の高校生の主人公が
    目の前で父を殺した
    中国人の武術家に
    復讐をする物語です。

    で、第一章が横須賀を舞台に
    主人公が宿敵を追って
    香港に旅立つまでが描かれています。

    が・・・

    そんなことは、
    正直どうでもいい!(笑)

    街や人の作りこみが当時のゲームでは衝撃的だった・・・

    このゲームがすごかったのは、
    その作りこみ!

    再現された横須賀の町の中で、
    登場するすべての人に細かな設定や
    この時間帯にはこの場所に居る
    などの生活習慣があり、

    ストーリーの進行上、
    話しかけないといけない人は、

    特定の時間じゃないと
    その場所に居なくて
    町中を探し回らないといけなかったり、

    夜になって家に帰ってしまうと
    ゲーム内で一日を過ごして、
    また同じ時間に
    会いに行かなきゃいけなかったりと、

    ゲーム内に完全に
    人々の生活があったんですよ!

    で、これがすごく評価されて
    のちにオープンワールドゲーム
    というジャンルができるほど
    色んなクリエイターたちに
    マネされていきます。

    (アメリカ史上最も売れたゲーム
    グランド・セフト・オートや
    龍が如くの原型になりました)

    まぁ、当時の僕はそれよりも
    ゲーム内でできる寄り道要素の

    ゲームセンターで遊ぶのであったり、
    ガチャガチャの景品を
    集めるのに夢中でしたが・・・
    (この辺、龍が如くでしょ?)

    『シェンムーⅡ』のストーリー

    そして、第一章の2年後・・・

    待望の『シェンムーⅡ』が発売され、

    その物語は、
    香港到着から始まり、
    途中で出会った仲間に助けられながら
    九龍城、中国の桂林へと
    宿敵を追いかけ進んでいきます。

    僕のゲーム史上1番好きなキャラクターとの出会い

    この2の思い出としては、

    途中で出会うギャングのリーダーの
    レン・ウーインってキャラが好きすぎて
    犬を飼ったときにレンって
    名前を付けたほどです。

    レンとは、いったいどんなキャラクターなのか?

    で、このレンは
    一体どんなキャラかというと・・・

    まぁ一言で言うと、
    とにかく卑怯なやつです(笑)

    強敵と出会ったときに
    主人公とレンのどちらが戦うかを
    コイントスで決める場面が
    何回もあるんですが・・・

    必ず主人公が負けるんですね。

    やってて
    「いい加減に気づけよ!」
    とは思うんですが、

    主人公が桂林に旅立つときに
    選別としてコインを渡されて、

    やっとこさ
    両面が表(裏?)になっている
    細工されたコインだった
    と気づくんですよ。

    他にも、最初に
    彼に出会うときなんかも
    卑怯な手を使って逃げ出したり、

    戦うときも不意打ちなどの
    めちゃくちゃ卑怯な手を使って戦う・・・

    卑怯だけど、本当はめちゃくちゃ強いし、
    ピンチのときには必ず助けに来てくれる

    でも、そうやって
    まともに戦うのを避けるんですが、
    実際は、めちゃめちゃ強い!

    そして、主人公がピンチのときは
    必ず良きところで助けに来てくれる
    男気あふれるやつで、

    ものすご~く
    人間臭いキャラなんですよね。

    で、そうそう!忘れてた・・・
    このゲームのゲームシステムとしては、
    原型がバーチャファイターっていう
    格闘ゲームなんで、
    敵と戦うのも楽しめる感じですね。

    いよいよ物語は重要なカギを握る場所へ・・・

    そして・・・

    いよいよ
    このシェンムーⅡは、
    物語の重要なカギを握る
    中国の桂林にたどり着き・・・

    一度も登場しなかったヒロインが
    Ⅱにしてやっとこさ登場するが・・・

    一章の開始から
    この桂林に来るまでの間、
    一度も登場しなかった
    (ゲーム内の夢には出てきてた)

    ヒロインのシェンファと
    タイトルのシェンムーが登場して、

    山奥の洞窟の中で謎を解き
    物語のキーアイテム
    『鳳凰と龍の石鏡』の
    壁画が見つかったところで・・・

    画面が急に切り替わり
    エンディングが流れます。
    (ここ、重要なポイント!)

    これには当時、
    子供だった僕もびっくりで、

    「えっ!?どういうこと??
    なんか押したらダメなとこ押した?」
    と、めちゃくちゃ焦った記憶があります。

    (普通、終わる前に
    ラスボスとか居ますやん?

    事前に発表されていた重要人物も
    ほとんどが出てきてすらいないし・・・)

    突如、続編の制作が行われなくなる・・・

    そこからこのゲームはなんと!!
    制作が中止されます・・・

    つまり、このゲームは、
    めちゃくちゃ尻切れトンボのまま
    物語が終わります。

    プロデューサーの退社で続編の制作が絶望的に・・・

    それからは、
    続編を望むファンの声が後を絶たない
    という状況が続きますが・・・

    このゲームの
    プロデューサーがセガを退社され
    (売れなくて大赤字を出したから
    窓際に追い込まれていたという噂も)

    開発再開は絶望的になります。

    それでも、ファンたちはあきらめず
    続編を期待し続けますが・・・

    10年以上、何事もなく
    物語の続きを知るのが夢のまま
    時は過ぎていきました・・・

    14年の時を経て、
    ついに開発再開への希望が・・・

    ところが2015年・・・

    ついにプロデューサーさんが
    ファンの要望に応えて、
    開発をするための
    資金調達をクラウドファンディングで
    行うことを発表!

    (シェンムーに関するライセンスは、
    セガから借りる形で)

    そして始まった
    クラウドファンディングは、

    開始からわずか
    1時間44分で100万ドルに達し、

    「最も短時間で100万ドルを
    集めたビデオゲーム」として

    ギネスに認定され、

    その後も、キックスターター史上、
    最も資金を集めたゲームとして
    最終的な出資総額は、
    717万9510ドルにもなりました。

    約20年の時を経て、
    いよいよ『シェンムーⅢ』が発売!

    そして・・・

    度重なる発売延期の末、
    2019年11月に発売されます。

    が・・・
    僕は忙しかったのもあり、
    商品を買うことなく
    噂を聞いて過ごしていました。

    やっと発売されたにもかかわらず
    「いや、それは話が違うやん!?」ってことに・・・

    んで、どうやら
    このゲーム・・・

    約20年も待たせておいて、
    Ⅲでも物語が終わらない・・・

    ということと、

    セガからバーチャファイターの
    システムを使わせてもらえなかった
    ということでバトルシステムが
    今までと全然違う

    ということで、
    様子見をすることにました。

    そしてそのまま
    商品を買うことなく時は過ぎ・・・

    やっとこさ先日、
    セールに引っかかって
    買ってしまったというわけです。

    マーケティングで役立つ心理トリガー
    『ツァイガルニク効果』とは?

    で、このお話の
    マーケティングで使える
    心理的なポイントは・・・
    (途中で触れましたが)

    物語が尻切れトンボの状態で
    終わってしまったというところ!

    そして、ファンたちは、
    なぜ約20年もの間
    続編を期待して
    待ち続けたのかというところ!

    これは、
    『ツァイガルニク効果』
    という心理が関係してるんですね。

    このツァイガルニク効果は、
    『人は達成できなかった事柄や
    中断している事柄の方を、
    達成できた事柄よりもよく覚えている』

    という心理で、

    要するに、
    中途半端なところで終わると
    続きが気になって仕方がなくなる
    というやつですね。

    (よくテレビなんかで
    「このあと、衝撃の事態が・・・」
    と言ってCMに行くのも
    この心理を利用しています)

    ツァイガルニク効果をビジネスでうまく使うには?

    では、この心理をマーケティングで
    どのように活用するのかというと・・・

    広告とかで全部伝えきらずに
    あえて中途半端に終わらせる
    ってことですね。

    (「続きはこちら」とか
    「続きはセミナーで」みたいな)

    あとは、商品の情報を
    途中まで伝えるけども、

    写真なんかは載せずに
    商品がどんなものか?は、
    実際にお店に来て体験してください

    っていう感じにしても
    結構、気になりますよね?

    他には・・・

    観光バスの会社なんかがやっている
    ミステリーツアー(行先不明の旅行)
    なんかもツァイガルニク効果が
    うまく使われていて、

    「どこに行くんだろう?」
    という好奇心をくすぐられて
    一時期、結構流行ってましたよね?

    (前になにかで聞いた余談ですが・・・
    仕事で滅多に旅行なんて行けない
    とある伊豆の人が、

    やっと1日だけ休みが取れて
    東京から出発する
    ミステリーツアーに参加し、
    どこに着くのか楽しみにしていたら

    着いた先が伊豆だった・・・
    という悲しい話を聞いたことがあります)

    こんな風に使います。

    このツァイガルニク効果は・・・

    20年という時間を経ても
    どこか引っかかっていて
    続きが気になって仕方がない
    という状態にさせ、

    クラウドファンディングで、
    史上最高額をたたき出してしまうほどの
    強力な効果をもたらす心理ですので
    ぜひ使ってみてくださいね!

    本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

    西田貴大

    P.S.
    ちなみに
    ツァイガルニク効果は、
    別名『クリフハンガー効果』
    と言われていて・・・

    クリフハンガーという
    昔の海外ドラマで
    毎回、主人公が崖から転落寸前とかの
    絶体絶命のピンチで終わって、

    視聴者に
    続きが気になって仕方がない
    という心理にさせていたことから
    その名が付きました。

    が、このクリフハンガー・・・

    翌週になると、
    何事もなかったように
    普通に始まり、

    前の週の終わりにあった
    絶体絶命の場面は、
    無かったことになっていたそうです(笑)

    P.P.S.
    この記事を書いてから
    投稿するまでの間に
    忙しさでかなりの時間が
    かかってしまって

    この間、少し休みができたので
    ゲームをやってみたのですが・・・

    「お前、誰やねん!」って思うほど
    キャラクターの顔や性格が違っていて、
    ストーリーもおかしくなっていたので
    「どういうこと?」ってなりました。

    「グラフィックは、
    予算的にしょうがないとしても
    ストーリーや性格はおかしいやろ!」
    って思い、調べてみると・・・

    どうやら、脚本家の方が
    ゲームを一章もⅡも
    一切、プレイしないまま
    脚本を書いているようです・・・
    (そんなん許されるんか??・・・)

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