From:西田貴大
よくテレビのビジネス番組などで、「この会社の儲けのカラクリは?」とか「年商〇億円の若手社長!」みたいに取り上げられて、芸能人が「スゴ~イ!」と驚いているのを見かけますよね。
昔からずっと気になっていたんですが…… あれ、完全に「表面(売上)」しか見ていないですよね?
こういう番組を見ていると、マーケティングコンサルタントの僕としては「年商がいくらかどうかなんて、あんまり関係ないだろ!」と思うことが多々あります。
テレビでは、年商(1年間の売上)がある程度大きければ、さも儲かっている大金持ちのように紹介されています。 でも、裏側の数字の構造を知っている人間からすると、「ここ、絶対にそんなに儲かってないやん!」「その従業員数と家賃でその年商だったら、絶対赤字やん!!」という会社がけっこうあるんですよね。
もしこの話が嘘だと思うなら、テレビや雑誌で「今儲かっているビジネス!」と紹介されている会社を、帝国データバンクなどで調べてみてください。実際の数字(利益)を見ると、あまりのギャップに大笑いしますよ(笑)
というわけで今回は、多くの経営者が勘違いしている「売上と利益の罠」と、ビジネスで最も大切な『粗利(あらり)』を増やす方法についてお話しします。
経営で一番大事なのは「年商」ではなく「残るお金」

なぜか多くの経営者は、目標を立てるときに「売上」ばかりを追いかけます。
しかし、結局のところ年商がいくらかよりも、「最終的に自分の手元にどれだけのお金(利益)が残るのか?」の方がはるかに重要です。
たとえ年商で1億円を売り上げていたとしても、経費が1億1000万円かかっていたら、結果は1000万円の赤字です。そんな状態を続けていれば、その会社は遠からず潰れてしまいますからね。
そう、ビジネスにおいて本当に大事なのは「利益」なのです。
売上が増えれば、利益も増えるという大きな勘違い

「売上ばかりを求めて、手元にお金が残らない」と悩んでいる経営者の方は、非常に多いです。
これはおそらく、「売上が増えれば、それに比例して利益も勝手に増えていくはずだ」と勘違いしているからでしょう。 しかし、少し冷静に考えてみれば分かりますが、そんなことは絶対にありません!
この勘違いをして地獄を見ているのは、何も考えずに「安値競争」をしている経営者や、無理な「多店舗展開」をしている経営者に多い印象です。
店舗数を増やして売上があがっているにもかかわらず、なぜかお金が残らない。「なんでだろう……」と頭を抱えているわけです。
これは僕からすると、「いやいや、それは当たり前ですよ……」という話です(苦笑) 店舗を増やせば、それに伴って新しい店舗の家賃、水道光熱費、増やした従業員の給料など、毎月出ていく「固定費(経費)」もドカンと増えます。 売上は増えても、利益がその分増えるわけではないので、結局手元にお金は残らない(むしろマイナスになる)わけです。
コストカットの前に『粗利』を増やすのが一番簡単

一方で、利益の大切さを分かっている真面目な経営者ほど、何故か「コストカット(経費削減)」を一生懸命に頑張ろうとします。
いや、間違ってはいないんですよ。無駄な経費を削ることは大切です。 でも、そうじゃないんです。鉛筆の芯をケチったり、従業員の残業代を削ったりしてギスギスする前に、本来一番最初に手をつけるべきなのは『粗利』なんですよ!!
ビジネスにおけるすべての経費(家賃や給料など)は、売上からではなく、この「粗利」の中から支払われています。
ですから、手元に残るお金を増やしたいなら、その大元である「粗利」を増やすのが一番簡単で、一番効果が高いのです。
(※ちなみに簡単に説明しておくと、【粗利 = 売上 - 原価】 のことです。100円で仕入れた(または作った)ものを500円で売ったら、粗利は400円ですね)
粗利を増やすための「たった2つの方法」

では、その粗利を増やすには具体的にどうすればいいのでしょうか? 方法は、非常にシンプルに以下の2つしかありません。
1. 商品単価をあげる(1つあたりの価格を高くする)
単純に商品の値段をあげる方法です。 いままで10,000円で売っていたものを、15,000円に値上げすれば、増えた5,000円分はそのまま丸々「粗利」になります。もっとも手っ取り早く、会社に現金が残る方法です。
「ただ値上げするのは怖い」という場合は、『松・竹・梅』の3つの価格帯(コース)を作ってみてください。今まで1万円のコースしかなかったところに、「3万円の特別コース」と「5万円のプレミアムコース」を新設するだけで、一定数のお客さんは必ず上のコースを選んでくれるため、自然と全体の平均単価があがります。
2. 購入点数を増やす(1人のお客さんに複数買ってもらう)
いわゆる「クロスセル(ついで買い)」や「パッケージ化」と呼ばれる手法です。 ハンバーガーを買いに来たお客さんに「ご一緒にポテトはいかがですか?」と提案したり、美容室でカットに来たお客さんに「このシャンプー、すごく髪に合いますよ」と販売したりして、1回のお会計での点数を増やします。
また、別々に売っていた商品を「初心者向け・全部入りパーフェクトセット」のように1つにまとめて販売する(パッケージ化する)ことでも、自然と購入点数が増え、粗利が大きく跳ねあがります。
この2つの観点から、「どうすれば自社のビジネスに落とし込めるか?」を深掘りして考えていくことで、驚くほど簡単に粗利を増やすことができます。
あなたもぜひ、この2点を意識して、「どうやったら今よりも単価をあげられるだろうか?」、「どうやったら、ついでに買ってもらう点数を増やせるだろうか?」 と知恵を絞って考えてみてください。
商品の「中身」を変えずに値上げする極意
ちなみに、よく勘違いしている人がいますが……。
「単価をあげる」と言うと、「もっと商品の質を高めたり、新しい機能を追加したりしないと値上げなんてできない!」と思い込んでしまう人がいます。
しかし、商品の単価は、中身(質)をいっさい変えなくても普通にあげることができます。
極端な話、あなたに「明日から値段を2倍にします」と言い切る『度胸』さえあれば、単価は今すぐにあげられるのです(笑)。
とはいえ、ただ値上げをするだけでは精神的にしんどい(お客さんに断られるのが怖い)と思います。 ですから、商品の質を変えるのではなく、お客さんから見た「商品の見せ方(オファーの構造)」を工夫してみてください。
強力な保証をつけたり、パッケージの魅せ方を変えたり、サポート期間を延ばしたりするだけで、お客さんは「高くなった」ではなく「価値があがった」と感じて、喜んで高いお金を払ってくれるようになります。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. 本文の最後でお伝えしたように、粗利を増やすために商品の「中身(質)」を無理に良くする必要はありません。大事なのは「見せ方(オファー)」という構造の工夫です。
しかし、もしあなたが「粗利を増やしたいけれど、自分のビジネスのどこを変えれば単価があがるのか分からない…」「見せ方を変えて値上げをしたら、お客さんが離れてしまいそうで怖い…」と悩んでいるなら。
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売上ばかりを追いかけて忙しく働き続ける「労働地獄」はもう終わりにして、粗利がしっかりと手元に残り、心と時間に余裕ができる強固なビジネス構造を作っていきましょう。
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