From:西田貴大
いや~ショックです……。
もう残念で言葉がでません。
そんなにショックを受けるなんて、いったい何があったのか?というと。 数年前に近所にできて、「そのうち行こう」と虎視眈々と狙っていたちょっとお高めなフランス料理店が……この前お店の前を車で通ったら、潰れていたんです。
ランチで5,000円ですよ! (地方都市の)車で7分ぐらいの田んぼの周辺にそんな店ができたら、1回行ってみたくなりません?
誰かと食事に行く機会ができたら絶対に行こうと思っていたんですが、ずっと休みなく仕事をしていてお客さん以外と接する機会もなく、彼女ができる気配は微塵もなく(笑)。 結局、このお店に行く機会が訪れることは、ついにありませんでした。
でもね。 実は僕、このお店……最初に出来たときから「潰れる」のがはっきりと分かっていたんです。
第1章:飲食店の集客は、店の「立地」で9割決まる

なぜ、オープン当初から潰れると予想できたのか? それは、このお店が「以前に潰れた飲食店の跡地(居抜き物件)」にできたお店だったからです。
飲食店の経営は、9割がた「立地」で決まります。 ということは、「潰れたお店の跡にできたお店は、また潰れる可能性が極めて高い」のです。(あなたの住んでいる町にも、「ここにできたテナントって、いつもすぐにつぶれるよね」という魔の場所がありませんか? アレと同じです)
参考までに言っておくと、このフレンチのお店の前にそこにあったのは「イタリアンレストラン」でした。そして、さらにその前にあったお店も「イタリアンレストラン」です。
じゃあ、潰れますよね?(苦笑)
まぁ、単価が高いぶん、ある程度は持つかなとは思っていたんですが……地方の田んぼの周辺という立地で、フラッと立ち寄ってこの単価を支払うお客さんは、そうそう居なかったはずです。
居抜き物件ですぐに潰れる飲食店の共通点
- 家賃や初期費用の安さだけで物件を決めている
- 前の店が潰れた「本当の理由」を調査していない
- 商圏の属性(住んでいる人・通る人)を分析していない
- 最寄り駅などからの「人の動線」から完全に外れている
オーナーはなぜ「前の店が辞めた理由」を調べないのか?
ここで疑問に思うのは、このお店のオーナーは、ここの立地について何も調べなかったのでしょうか? 前のオーナー、そしてその前のオーナーが「なぜそのお店をやめたのか」が分かれば、普通に考えてこの場所にお店を出すことはなかったはずです。
「前の店の設備がそのまま使えるから(初期費用が安いから)」という安直な理由で居抜き物件に飛びつくのは、自ら死地に赴くようなものです。
お店を出店する前には、必ず以下のことを徹底的に調べておく必要があります。
- 前の店舗は、どういう理由で辞めたのか?
- 商圏には、どんな人が住んでいるのか?
- 店の周りの通行人の数や交通量、どんな属性の人が通るのか?(サラリーマンの動線なら居酒屋はいけるが、フレンチには入らない)
- 最寄り駅からの動線はどうなっているのか?
第2章:立地が変われば、売上も客層も「別物」になる

「家賃が安かったから」、「なんとなく雰囲気が良いから」という理由で店の立地を決めてしまっているお店が多すぎます。
そもそも、立地によって提供する商品の価格やビジネスモデルはまったく変わってくるのです。
例えば、原宿のような人通りが異常に多い場所なら「低価格のコーヒー店」でも薄利多売で利益が出ます。しかし、少し路地に入って人通りの少なくなった場所で同じお店を出しても、絶対に利益は出ません。 人通りの少ない裏路地なら、そこそこの値段がする「こだわりのスペシャルティコーヒー」を出すお店にしなければ、ビジネスとして成り立たないのです。
すでにお店を出していて、調べてみた結果「どう考えても立地が絶望的だ」という場合は、思い切って移転するというのも1つの正しい解決策です。
第3章:悪い立地を覆す「唯一の逆転戦略」とは?

「立地が悪いのは分かった。でも、資金的にもう移転なんてできないよ!」
もしあなたが今、そんな絶望的な状況にいるのなら。 立地の悪さをひっくり返す、たった1つの逆転戦略をお伝えします。
それは、たまたま通りかかった人が入る店ではなく、「お客さんが、わざわざあなたの店に行くために家を出る(目的店になる)」という状態を作ることです。
冒頭の「田んぼの中の5,000円のフレンチ」は、ただ美味しいだけでは立地の壁に負けて潰れました。 しかし、もしあの店が「瀬戸内海でその日の朝に水揚げされた『幻の高級魚』だけを直接買い付けてさばく、1日3組限定のフレンチ」という強烈な魅力を持っていたらどうでしょうか? お客さんは、わざわざ車で1時間かけてでも予約を取ってやって来ます。
これを実現するためには、マーケティングにおける以下の「3つの強力な武器」を設計する必要があります。
立地の不利を覆す「3つの武器」
「コンセプト」「USP」「差別化」。これらは似ているようで、実はマーケティングにおける役割がまったく違います。 簡単に言うと、コンセプトは「お店の設計図」、USPは「お客様への究極の約束」、差別化は「ライバルとの戦い方」です。
それぞれの違いを理解して、あなたの店に今一番足りないものを徹底的に補強してください。
① コンセプト(全体の世界観) あなたのお店の「テーマ」や「誰にどんな体験を提供するのか」という根本の設計図です。ここがブレていると、誰の記憶にも残らない「ただのご飯屋さん」になってしまいます。

② USP(独自の強み・究極の約束) 「なぜ、他のお店ではなく、わざわざあなたのお店に行かなければならないのか?」という、お客さんに対する強力な約束です。立地が悪いなら、これを極限まで尖らせる必要があります。

③ 差別化(競合との明確な違い) 「他のお店は冷凍を使っているが、うちは毎朝市場で仕入れた生のものしか使わない」など、ライバル店と比較した時の明確な違いです。


まとめ:立地の壁は「マーケティング」で突破できる

飲食店は立地が9割。これは冷酷な事実です。 これからお店を出す人は、絶対に安直な理由で立地(居抜き物件)を選ばないでください。
しかし、すでにお店を出してしまっている場合でも、諦める必要はありません。 コンセプト、USP、差別化を徹底的に磨き上げ、「わざわざ行く理由」を作ること。それができれば、あとはそれを正しく見込み客に届けるマーケティングの力で、立地の壁は必ず突破できます。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. ちなみに、このお店に限らず僕は「このお店、そのうち潰れるやろなぁ」と思いながら注目しているお店がいくつかあります。 そして、この予想はほぼほぼ当たります。
しかも僕は、そこに実際に食べに行ったりしています。(結構美味しいんですよね) ただ、中に入った時点で「あぁ、やっぱり潰れるなぁ」と思うことがほとんどです。
立地もそうですが、やたらとお店が暗かったり、経営者の方に活気がなかったりしてね。 なので、残念ながら「美味しいから潰れて欲しくないなぁ」と思っていたお店ともサヨナラした経験が結構あります……。非常に悲しいですが、味が良いだけでも生き残れないのがビジネスの厳しいところですね。
P.S.2 「自分の店にはコンセプトもUSPも足りていないのは分かった」
「でも、具体的にどこをどう尖らせれば『わざわざ行く目的店』になるのかが分からない…」
毎日厨房に立ち、目の前の業務に追われている経営者が、自分自身のお店を客観視して強みを見つけ出すことは非常に困難です。(自分の顔が自分では見えないのと同じです)
自力でなんとかしようと無理な安売り(値引き)に走る前に、まずは外部のプロの視点を使った「客観的な診断」を受けてみてください。
以下のリンクから、いくつかの質問に直感で答えていくだけで、あなた自身では気づけなかったビジネスの「見えない足枷」と、悪立地をひっくり返すための具体的な次の一手が見えてくるはずです。
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