From:西田貴大
「暇な時期(閑散期)になんとかお客さんを呼ぼうと、キャンペーンを打っている」
「あまり売れていない商品をテコ入れするために、広告費を使っている」
もしあなたが今、こんな風に予算と時間を使っているなら、今すぐその施策をストップしてください。厳しいようですが、そのままでは無駄な広告費を垂れ流して資金が底をつくだけです。
学校のテストなら「苦手な科目を克服して平均点をあげる」のが正解かもしれません。しかし、ビジネスにおける「弱点克服」は、ただの命取りです。
今日は、経営危機に陥っていた『USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)』を劇的なV字回復へと導いた、ある有名なマーケティング事例をもとに、スモールビジネスの経営者が絶対に知っておくべき「集客と予算配分の不変のルール」についてお話しします。
USJが陥っていた「集客の罠」と逆転のハロウィン戦略

USJといえば、夜になるとパーク内にゾンビが溢れかえる「ハロウィンのホラーナイト」が有名ですよね。実はあのイベント、単なるお祭り騒ぎではなく、緻密な数学的マーケティングによって生み出された「大逆転の戦略」だったのをご存知でしょうか?
当時、業績低迷に苦しんでいたUSJは、集客において「ある典型的な間違い」を犯していました。
USJの1年間の入場者数を見ると、10月が最も多く、逆に1月や2月は寒さもあってガクッと落ち込んでいました。 そこで当時のUSJは、「1月と2月は人が少ないから、まだ集客できる『伸びしろ』があるはずだ!」と考え、この閑散期に大量の予算を投じて広告やイベントを打っていたのです。
しかし、P&Gからヘッドハンティングされ、のちにUSJをV字回復させることになる森岡毅氏(現在は独立し、日本屈指のマーケターとして活躍されています)は、データを用いてこれを真っ向から否定しました。
数学と統計学を駆使して分析した結果、1月や2月には「そもそもテーマパークに行く」という需要自体がなく、いくら予算を突っ込んでも伸びしろがほぼゼロであることが判明したのです。
逆に、データが示した「最も伸びしろがある月」はどこだったのか? それは、すでに一番入場者数が多かった「10月」でした。
そこで森岡氏は、閑散期の弱点克服をスッパリと諦め、すでに当たりが出ている10月に予算を集中投下しました。そしてゾンビなどのホラー要素を前面に押し出した『絶叫ハロウィン』を企画。結果として、この一点突破の戦略が話題を呼び、USJの入場者数は飛躍的に伸びることになったのです。
すでに「当たり」が出ているところに全振りせよ

このUSJの事例から学べる、マーケティングの極めて重要なポイント。 それは、「集中して予算や労力を投じるべきところは、うまくいっていない弱点ではなく、すでに『当たり』が出ていて、うまくいっている強みの部分である」ということです。
普通に考えると、客観的に数字が少ない部分(弱点)に伸びしろがあると思い込み、そこを補おうとしてしまいますよね。 しかし、反応が薄い層にいくらお金と情熱をかけても、売上はあがりません。
ビジネスをしていると、必ず「反応を示す特定の層」や「よく売れる特定の商品」に偏り(バイアス)が出てきます。それさえ分かってしまえば、あとはその「偏っている部分(すでに勝てている土俵)」を徹底的に分析し、そこにすべての予算とメッセージを集中投下するのです。
これが、最も早く、最も確実に売上を爆発させる集客の原理原則です。
広告費の無駄をなくす!顧客リストから「勝てるターゲット」を絞り込む方法

では、あなたは具体的にどうすれば、自社のビジネスの「偏り(当たりの出るポイント)」を見つけられるのでしょうか?
一番早くて確実な方法は、あなたがすでに持っている『顧客リストを分析すること』です。
起業したてなら話は別ですが、すでに何年かビジネスをされているのであれば、必ずあなたの顧客層には何かしらの偏りや共通点が生まれているはずです。
【具体例】スモールビジネスでの「当たり」の見つけ方
たとえば、あなたが「小中高生向けの学習塾」を経営していて、生徒集めに苦戦しているとします。 「全学年対象!全科目教えます!」と広く広告を出していても反応がありません。
そこで、既存の顧客リスト(現在通ってくれている生徒のデータ)を客観的に分析してみます。すると、ある「強烈な偏り」に気づきました。
- 実は、利益の8割を生み出しているのは「高校生」だった。
- その高校生たちの入塾理由は、全員「数学の成績をあげて理系大学に行きたいから」だった。
- 退塾率が一番低く、長く通ってくれるのも「理系志望の高校生」だった。
これが、あなたのビジネスの「すでに当たりが出ている強み(USJでいう10月)」です。
全学年に向けた無駄な広告費(弱点克服)を今すぐストップし、「理系大学を目指す高校生のための、数学特化型指導」へとメッセージと広告費を全振り(一点突破)するのです。これが、顧客リストからターゲットを絞り込み、最短で売上を爆発させる方法です。
もし、まだ顧客リストを持っていないなら?
もしあなたが、これまでビジネスをしてきたにもかかわらず、顧客の連絡先やデータをまとめた「顧客リスト」を持っていないとしたら……それは非常に危険な状態です。
その場合は、今日からすぐにでも、現在来てくれているお客さんに直接話を聞いてください。 「どんな広告を見てうちに来たのか?」 「うちの商品を買う前は、どんなことに悩んでいたのか?」 「なぜ、他社ではなくうちを選んでくれたのか?」
徹底的にヒアリングして、お客さんのことを知ってください。そうすれば、必ず自社の「強み(偏り)」が見えてきます。 そして同時に、プレゼントキャンペーンなどを企画して、できる限り早いうちに連絡先を集め、顧客リストを構築してください。
あなたのビジネスが安定して売上をあげ続けられるかどうかは、この「顧客リストの有無」にかかっています。うまくいっている会社は、必ず顧客の情報を集め、それを分析することで「勝てる土俵」を見極めているのです。
まとめ:弱点を捨て、強みに一点突破しろ

いかがだったでしょうか。
- 閑散期や売れない商品のテコ入れ(弱点克服)は、資金の無駄遣いである。
- すでに当たりが出ている「偏り(強み)」を見つけ、そこに予算を集中投下せよ。
- 自社の当たりを見つける最強の武器が「顧客リスト」である。今すぐ構築・分析せよ。
マーケティングとは、「何をやらないか」を決めることでもあります。 売れないところを無理に伸ばすのをやめ、すでに勝てている土俵に一点突破してみてくださいね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. 本文でお伝えした通り、ビジネスを拡大させるためには、自社の「当たり(偏り)」を正確に把握し、そこにリソースを集中投下する構造を作ることが絶対条件です。
しかし、「自分のビジネスのどこに偏りがあるのか、客観的に分析できない」「そもそも、今の集客方法が強みを活かせているのかどうか分からない」と手が止まってしまう経営者が非常に多いのも事実です。 それは、経営者自身が日々の業務に追われ、自社のデータを俯瞰して見る「マーケターの視点」を失ってしまっているからです。
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