From: 西田貴大
いきなりですが……問題です!! (楽天カードマンみたいですね…笑)
仮に、現在あなたが服屋さんを経営しているとします。 お店の主力商品はかっこいいTシャツで、それを販売することがメインの収益源です。
あるとき、たまたま通りがかりで、あなたのお店に見込み客のAさんとBさんが来店しました。
■ Aさん:Tシャツを腐るほど持っている Aさんは、自宅のタンスからあふれかえるほどのTシャツをすでに持っています。 本人は「もうこれ以上Tシャツが増えるのは困る。Tシャツはもう買えないから、パンツなど別の商品を買おう」と思っています。
■ Bさん:ヨレヨレのTシャツ1着しか持っていない 一方のBさんは、年がら年中、常に作業着を着ている人です。 私服は1シーズンで1着しか持っておらず、今着ているTシャツはずいぶん長い間着ているのが明らかなほどヨレヨレです。Tシャツの「必要性」は一目瞭然です。
さて、ここで問題です。 このAさんとBさん、いったいどちらの方が「Tシャツを販売するのが簡単な人」だと思いますか?
少し考えてみてください。
・ ・ ・
Bさんだと思いましたか?
残念!パリ・ローマ7日間の旅、獲得ならず!(何の話やねん 笑)
意外に思われるかもしれませんが…… マーケティングの構造上、正解は圧倒的に「Aさん」なのです。
なぜ、すでに腐るほど持っているAさんの方が売りやすいのか?

なぜ、もう必要ないと思っているAさんの方が、Tシャツを買いやすいのでしょうか?
その理由は、AさんがこれまでにたくさんのTシャツを買ってきており、「Tシャツにお金を出すことに対して、まったくと言っていいほど心理的抵抗がないから」です。
それだけ買っているということは、無意識レベルで「カッコイイTシャツが欲しい」という強い欲求を持っています。 (「もう必要ない」と頭で思っていることなど、その強い欲求の前では大した購買のストッパーにはなりません)
対して、ヨレヨレのTシャツを着ているBさんはどうでしょうか。 Bさんはこれまでほとんど服を買わず、「Tシャツにお金を払う」という行為自体にまったく馴染みがありません。
なので、客観的に見てどれだけTシャツが必要な状態(ヨレヨレ)であっても、Bさんに「このTシャツいかがですか?」とセールスをしたところで、「今着ているものがあるから別にいらない」と断られる可能性が非常に高いのです。
マーケティングの基本:お客さんが買うのは「ニーズ」ではなく「ウォンツ」である

このクイズから導き出される、ビジネスの不変の原理原則があります。
それは、『人は必要なもの(ニーズ)ではなく、欲しいもの(ウォンツ)を買う』ということ。
世の中には「この商品はニーズがある!」と言う人がたくさんいますが、その9割方は言葉の使い方を間違えていて、実は「ウォンツ(欲求)」のことを指しています。
- ニーズ = 必要性
- ウォンツ = 欲求
本来の「ニーズのある商品」というのは、トイレットペーパーなどの生活必需品のことです。
もし一般的な「ニーズ」に対する認識が正しいのであれば、スーパーでトイレットペーパーを買ったときに「よっしゃー!念願だったトイレットペーパーをついに手に入れたぜー!!」と歓喜する人がいるはずです。
普通、そんな人はいませんよね? (いるとしたら、出先のトイレに入って紙がなくて絶望していた人ぐらいでしょう 笑。これはもはや「今すぐ紙が欲しい!」という強烈な欲求になっていますからね)
人は「ウォンツ」になら、喜んで高いお金を払う
対して「ウォンツのある商品」とはどういうものでしょうか。 分かりやすい例が、お酒やタバコです。
お酒は生きていくうえで、絶対に必要なものではありません。(ニーズはない) にもかかわらず、みんな高いお金を払って飲んでいます。
それは単純に「欲しいから」です。 酔っ払って気持ちよくなりたい、ストレスを発散したい、という強い欲求(ウォンツ)があるからです。 (僕は一切お酒を飲まないので、あくまで想像ですが……)
このように、人は「必要なもの」にはできるだけお金を払いたがりませんが、「欲しいもの」に対しては喜んでお金を払う生き物なのです。
マーケティングの世界には、「人は感情で物を買い、それを後から理性(理屈)で正当化する」という鉄則があります。結局のところ、購買の引き金は常にウォンツ(欲求)が握っているわけです。
もう必要ないのに商品を買ってしまう「強烈な事例」

さて、今回のクイズの登場人物であるAさんとBさんですが…… 実はこれ、実在のモデルがいます。
何を隠そう、Aさんは「僕のこと」です(笑)。
僕は日頃から「もう、これ以上Tシャツはいらない!」と本気で思っています(ニーズはゼロです)。 が……結局は、好きなバンドのライブに行ったときや、行きつけの服屋さんに好きなブランドのかっこいい新作が入ったときなどは、見事に誘惑に負けて何度も何度もTシャツを買ってしまっています。
そして多分、これからも好きなブランドやバンドのカッコイイTシャツが売られていれば、間違いなく買うでしょう。もう止まらないんです(笑)。
欲求が大きく、お金を払うことに馴染みがある人をターゲットにしよう
僕の例からも分かるように、商品の「必要性(ニーズ)」と「欲しいという欲求(ウォンツ)」はまったく比例しません。
だからこそ、あなたが商品を売ってしっかり売上をあげるためには、客観的な必要性だけでターゲットを決めてはいけません。
その商品カテゴリーにお金を出すことに馴染みがあり、強い欲求(ウォンツ)を持っている見込み客を優先して探すようにしてみてください。 (実は、そういう人たちは自社や競合の既存顧客リストの中に、すでにたくさん潜んでいます)
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. ちなみに、「ヨレヨレのTシャツを着たBさん」のモデルがいったい誰なのかというと……僕のドリフト競技の師匠です。
地味に有名な方で、ある大会の全国チャンピオンやグアムチャンピオン(なんでグアム?笑)になったことのある凄い方なのですが、先ほどお話しした通り、常につなぎ姿です。
たまに私服で居ると、周りが「えっ!?」とざわつきます(笑)。 めちゃめちゃレアなことなので、彼の私服姿を見かけると、何かの抽選に当選したような気持ちになります。

P.P.S. さて、最後に僕から、ビジネスを成長させたいあなたに重要な事実をお伝えします。
今回のクイズで、「ニーズ(必要性)」ではなく「ウォンツ(欲求)」のあるお客さんを狙うべきだという原理原則はお分かりいただけたと思います。
しかし、頭で「ウォンツが大事だ」と理解しただけで、明日から自動的に売上があがるわけではありません。
どれだけウォンツの強いお客さんがターゲットだと分かっても、その人たちの欲求を刺激し、あなたの商品を「どうしても欲しい!」と思わせてスムーズに購入まで導く「マーケティングの仕組み(導線)」が整っていなければ、結局はあなたが汗水垂らして一人ひとりに売り込みをかけ続ける労働集約型のビジネスから抜け出せないのです。
ウォンツを持ったお客さんが自然と集まり、勝手に売上があがる「構造」を作ること。それこそが、経営者が次のステージへ進むための絶対条件です。
「ターゲットは間違っていないはずなのに、なぜか売上が安定しない」 「自分が働き続けないとビジネスが回らない」
もしそう感じているなら、あなたのビジネスの「構造」のどこかが目詰まりを起こしている可能性があります。 気合いや根性に依存するビジネスから抜け出し、ウォンツを確実に売上に変える強固な仕組みを作る第一歩として、まずはご自身のビジネスの「見えないブレーキ」の正体を確認してみてください。客観的な事実をあぶり出す『マーケティング・ボトルネック診断』を無料で公開しています。
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