「良い商品を作れば売れる」の嘘。売上ゼロの職人社長が陥るプロダクトアウトの罠と構造

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From:西田貴大

「こんなにこだわって、時間とコストをかけて良い商品を作ったんだから、絶対に売れるはずだ!」
「なぜうちの商品の本当の良さを、お客さんは分かってくれないんだ…」

もしあなたが今、自社の商品が売れない理由を「お客さんの理解不足」や「PR不足」のせいにしているなら、非常に危険な状態です。 厳しいことを言いますが、あなたの商品が売れないのは、品質が悪いからでも、宣伝が足りないからでもありません。

あなたが「自分が作りたいもの」を作って、「自分が売りたいように」売っているからです。

今日は、多くの真面目な経営者や職人が陥ってしまう「プロダクトアウト(作り手よがり)」の罠を破壊し、ビジネスを成長させるための絶対的な構造「マーケットイン(顧客起点)」についてお話しします。

目次

なぜ彼は「一番嫌いな曲」を何十年も歌い続けるのか?

ビジネスの構造のお話に入る前に、とても分かりやすい例を一つあげます。

国民的ロックバンドであるウルフルズのボーカル、トータス松本さんは、かつて音楽番組のインタビューで、大ヒット曲『ガッツだぜ!!』について衝撃的な発言をしました。

「僕、この曲嫌いなんですよ。売れるために書いた曲で、自分が思っていることでも何でもないから」

自分が作った代表曲にもかかわらず、本人は一番嫌いだと公言しているのです。 しかし、彼はライブのたびに必ずこの曲を全力で歌い、ファンを熱狂させ続けています。(過去の夏フェスでは、お尻を出しながら歌っていたこともありました笑)

自分が嫌いな曲なのに、なぜ何十年も歌い続けることができるのでしょうか? 理由はシンプルです。「お客さん(ファン)がそれを求めているから」です。

彼はプロフェッショナルとして、自分の「個人的なこだわり」よりも、「市場が求めている価値(お客さんの喜び)」を最優先する構造を持っているのです。

「良い商品なのに売れない」理由:こだわりの商品がゴミになる罠

さて、これを私たちのビジネスに当てはめてみるとどうでしょうか。

「この独自の技術を使えば、こんなすごい機能が追加できるぞ!」
「他社にはない、こんなに画期的なサービスを思いついた!」

このように、「自分たちが作れるもの」「自分たちが作りたいもの」を起点に商品を作り、完成してから「さあ、これをどうやって売ろうか?」と後から考える。これをマーケティング用語で「プロダクトアウト」と呼びます。

日本の多くの企業が、このプロダクトアウトの罠に陥り、「良い商品なのに売れない」と頭を抱えています。(使わない機能が無駄にたくさんついている家電のテレビリモコンなどが良い例ですね)

どんなにあなたが情熱を注ぎ、徹夜をしてこだわりの商品を作ったとしても、お客さんからすれば「そんなこと知ったこっちゃない」のです。 お客さんは、あなたの努力やこだわりにお金を払うのではありません。「自分の悩み(痛み)を解決してくれるかどうか」にしか興味がないのです。

「お客さんの言いなりになる」という職人の勘違い

ここで、「じゃあ、自分のこだわりやプライドは全部捨てて、お客さんの言う通りに安っぽいものを作ればいいのか?」と反発したくなる職人気質の経営者もいるでしょう。

それは大きな勘違いです。マーケットインとは、ただの「言いなり(便利屋)」になることではありません。 トータス松本さんは『ガッツだぜ!!』が嫌いだと言いましたが、ライブで歌うときに決して「手を抜いて」はいませんよね。彼の持つ圧倒的なボーカル技術とソウルを、100%全開にしてファンを熱狂させています。

あなたの高い技術やこだわりを捨てる必要はありません。ただ、その技術の「使い道」を、自分のエゴを満たすためではなく、「お客さんの痛みを消し去るため“だけ”に極振りする」のです。それが本当のプロフェッショナルです。

売れる商品の作り方:起点を「お客さんの痛み(ニーズ)」にずらす

ビジネスで確実に売上をあげるための構造は、たった一つしかありません。 それは、商品を作る前に「市場(お客さん)のニーズは何なのか?」を徹底的にリサーチし、その強烈な痛みや欲求を満たすため”だけ”に商品を作ること。これを「マーケットイン」と呼びます。

  • × プロダクトアウト: 「良い商品ができた!さあ、誰に売ろうか?」
  • ◎ マーケットイン: 「お客さんがこの痛みで泣いている。それを解決する商品を作ろう!」

順番が全く逆なのです。 売上をあげ続けている企業は、例外なく「マーケットイン」の構造で動いています。あのUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)も、かつては映画へのこだわりに固執するプロダクトアウトでしたが、お客さんが純粋に楽しめるもの(アニメやゲームなど)を提供するマーケットインの構造に切り替えたことで、劇的なV字回復を遂げました。

あなたのビジネスの起点は、あなたの「エゴ」ですか?それとも「お客さんの痛み」ですか?

まとめ:主役はあなたではなく、お客さんである

いかがだったでしょうか。

  1. 「良いものを作れば売れる」は、作り手の勝手な幻想である。
  2. 自分のこだわり(プロダクトアウト)を捨て、お客さんが求めるものを提供するプロになれ。
  3. すべてのビジネスの構造は、「お客さんの痛み(マーケットイン)」から逆算して設計する。

ビジネスの主役は、商品を作ったあなたではありません。それにお金を払う「お客さん」です。

もし今、あなたが「こんなに良い商品なのに売れない」と悩んでいるなら。 一度、自分たちの商品への愛着(エゴ)を脇に置き、「お客さんは本当にこれを求めているのか?」と、冷徹な視点で構造を見直してみてください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

西田貴大


P.S. 本文でお伝えした通り、ビジネスを成長させるためには、自分たちのこだわりを捨てて「お客さんの本当の痛み」からビジネスを逆算して組み立てる構造(マーケットイン)が絶対条件です。

しかし、「自分のお客さんが本当に求めているものが何なのか分からない」「長年同じ商品を扱ってきたせいで、自社のビジネスがプロダクトアウトに陥っていることに気づけない」と手が止まってしまう経営者が非常に多いのも事実です。 それは、経営者自身が当事者としてモノづくりやサービスの提供に情熱を注ぎすぎているため、客観的な「市場の視点」を失ってしまっているからです。

現在、あなたのビジネスがなぜ「良いものなのに売れない」状態になっているのか? その隠れた構造の欠陥を論理的にあぶり出す『マーケティング・ボトルネック診断』を無料で公開しています。

売れない商品を宣伝するために無駄な広告費を溶かしてしまう前に、まずは自社のビジネスの起点が「エゴ」になっていないか、客観的にチェックしてみてください。

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