From:西田貴大
「新規のお客さんを呼ばなければ売上があがらない…」
「新しい商品を開発して、もっと広告費をかけなければ…」
売上に悩む経営者の多くは、ビジネスに行き詰まると、常に「外(新規)」へ向かってお金と労力をかけようとします。 しかし、ちょっと待ってください。新しいことに手を出す前に、あなたの会社の「足元」を見てみてください。
あなたの会社には、「持っているのにお金を生み出していない、見えないゴミ(死蔵資産)」が大量に転がっていませんか?
今日は、誰もがゴミだと思って捨てているものや、使われずに放置されている空間に『レバレッジ(てこの原理)』をかけて、莫大な現金に変えてしまう「資産のマネタイズ構造」についてお話しします。
ゴミにレバレッジをかけてお金を生み出すビジネスモデル

1年前のことですが、あるネットニュースを見て、僕は思わず「そうか!その手があったか!!」と叫んでしまったことがあります。
いったい、何があったのか? それは、『レシート1枚10円で買うアプリ、天才高校生プログラマーが小売市場に挑む』という記事を読んだからです。
僕はこの記事の見出しを見た瞬間に、彼が考えたビジネスモデルの「裏側の構造」が頭の中に浮かび、そのあまりの鮮やかさに思わず唸ってしまったというわけです。
そのアプリの仕組みは、スマートフォンのカメラ機能を使って「買い物のレシート」を撮影すれば、アプリ内の口座に10円が振り込まれるというものです。そしてお金を引き出す際に、運転免許証などの公的な書類で本人確認をすることによって「個人の詳細な情報」を獲得します。
これのいったい何がすごいのかというと、いつ、どこで、誰が、何を買ったのか?という『オフラインの購買行動データ(ビッグデータ)』を完璧に収集できることです。 「この商品を買う人は、他にこういう商品も買う傾向がある」というデータは、企業にとって喉から手が出るほど欲しい宝の山であり、他の企業に高値で販売することができます。
今まで、リアル店舗でのビッグデータ収集といえば、TSUTAYAのTカードやローソンのPontaカードといった「ポイントカード」を導入する大企業の独壇場でした。 しかし彼は、最終的には必ず捨てられてしまう「レシートという名のゴミ」にレバレッジをかけて、大企業が独占していたデータ市場に切り込んだのです。完全に盲点を突いた、素晴らしいビジネスモデルですよね。
誰もがゴミだと思っていた「松葉」から3000万円の利益

この「ゴミにレバレッジをかけて、新たな価値(お金)を生み出す」という発想は、全米No.1のマーケティングコンサルタントと呼ばれるジェイ・エイブラハムの得意技でもあります。
たとえば、道端や公園の周辺に「松葉」が山盛りになって落ちているのを見たことはありませんか? パッと見、誰がどう見てもただのゴミ(厄介者)ですよね。しかし、これにうまくレバレッジをかけて莫大なお金に変えた人がいるのです。
ジェイ・エイブラハムの本によると、ある受講生が、森林地区に大量に散った松葉の処分に「国の林野部が頭を悩ませている(コストをかけて処分しようとしている)」ことを知りました。 そこで彼は、自分が代わりにその松葉を無料で回収し、それを「園芸用の高級肥料(マルチング材)」として販売することで、なんと3000万円もの収益を得たのです。
(しかも、これだけではありません。彼はこの松葉を回収して運ぶ際にも、さらなるレバレッジ(てこの原理)をかけていました。
彼は、その地域に定期的に荷物を運んできている「ある業者の大型トラック」が、帰りはいつも『空車』で戻っていること(見えない死蔵資産)に気がついたのです。
そこで彼は、「空のまま戻るなら、ついでに私の松葉を載せて運んでくれませんか?」と交渉し、自分は輸送コストを一切かけずに、松葉を運ぶことに成功しました。誰もが気づかなかった『空間のゴミ(空きスペース)』を見つけ出し、自分の利益に変えてしまったのです)
これらの事例から得られるマーケティングの原理原則は、 『あなたのゴミは、他の誰かにとっては宝物かもしれない』 ということです。
設備投資ゼロで28億円を稼いだカラオケチェーンの裏側

そして、この「宝物に変わるゴミ」というのは、物理的なモノだけに限った話ではありません。あなたのビジネスに眠っている「活用されていない時間や空間(死蔵資産)」も、立派な隠れた資産です。
たとえば、全国展開する大手カラオケチェーン「ビッグエコー」は、かつて大きな悩みを抱えていました。 それは、売上の7割が「19時以降の夜間帯」に集中しており、「平日の昼間は、部屋がガラガラに空いている(稼働率が極端に低い)」という問題です。
家賃も人件費も発生しているのに、部屋がお金を生み出していない。これは経営的に見れば、ただの「負債(ゴミ)」です。
そこで彼らは、ある新しいプランを打ち出しました。 それが、平日の昼間限定で部屋を貸し出す「ビジネスプラン(テレワーク・会議用プラン)」です。 1時間600円(ドリンク付き)で、HDMIケーブルやホワイトボードを無料で貸し出し、防音の個室で仕事や会議ができる環境を提供したのです。
結果的にこのプランは、外回りの営業マンやフリーランスの間で大ヒットし、わずか9ヶ月で28億円もの追加売上をもたらしました。
ここで注目すべきは、ビッグエコーは既存の設備をそのまま使っただけで、新しい建物を建てたり、莫大なシステム投資をしたわけではないということです。 彼らがやったのは、ただ一つ。 「昼間の空き部屋」というお金を生んでいなかった死蔵資産を見つけ出し、「歌う場所」から「仕事をする場所」へと『オファー(価値)』をずらして再定義しただけなのです。
新規集客に頼らず売上をあげる「3つの隠れた資産」

ビッグエコーの事例を聞いて、「それは全国チェーンの大手だからできたんでしょ?うちみたいな小さな会社に、そんな立派な資産はないよ」と思ったかもしれません。
しかし、それは大きな勘違いです。どんな小さなスモールビジネスにも、必ずお金に変わる「隠れた資産」が眠っています。しかも、すでにあるものを活用するだけなので、追加の広告費や仕入れコストは「ゼロ」です。売上をごっそりそのまま利益にできる、代表的な3つの資産を具体例とともにお伝えしましょう。
1. 物理的な資産(空きスペース・時間・機材の活用)
ビッグエコーの例と同じです。たとえば、あなたがパーソナルトレーニングジムを経営しているとします。平日の昼間、お客さんが仕事に行っている時間帯は、マシンもスタジオもガラガラに空いていますよね。そこを、自分の店舗を持たないフリーランスのヨガインストラクターや整体師に「時間貸し」するのです。これだけで、売上ゼロだった昼間の空き時間が、毎月安定した家賃収入(利益)に変わります。
他にも、「日中は別の仕事をしていて、夜だけ開けている診療所」を見たことがあります。これも非常にもったいないですよね。高い家賃や設備投資を払っているのに、少しの時間しか稼働していない。それなら、自分が使っていない昼間の時間を「資金がなくて開業できない別の医師」に貸し出して利益をシェアすればいいのです。
さらには、数年前に「大手自動車メーカーのトラブルで、下請けの工場がまったく稼働できずに潰れかかっている」というニュースがありました。もしあなたが「自分の商品を作りたいけど、工場を建てる資金がない」と悩んでいたなら、これは最大のチャンスです。その工場へ行って「うちの商品の製造ラインとして空いている設備を動かしてくれませんか?売れた分から利益を折半しましょう」と交渉すれば、お金を一切かけずに自社の工場を持つことができたかもしれないのです。
2. 過去のお客さんのリスト(休眠客の掘り起こし)
これが中小企業で最も放置されている、最強の資産です。
たとえば、不動産の仲介やリフォーム業。数年前に契約してくれたお客さんのリスト(名簿)が、引き出しの中に眠っていませんか? 「あのときのお客さん、ライフスタイルが変わって今は別の悩み(修繕や住み替え)を抱えているかもしれない」と考え、「その後、お住まいの使い勝手はいかがですか?」と数十円のハガキを1通送るだけです。
(「何年も連絡していないから気まずい…」「売り込みだと思われないか?」と思うかもしれませんが、心配ありません。お客さんは怒っているわけではなく、単に日々の忙しさであなたのことを『忘れているだけ』なのです。思い出してもらうキッカケを作るだけで、驚くほど簡単に相談が舞い込んできます)
まったく知らない新規客に高い広告費を払うより、はるかに高い確率で次の依頼(現金化)につながります。
マーケティングの世界には、「新規のお客さんに商品を売るコストは、既存のお客さんに売るコストの5倍かかる(1:5の法則)」という不変のデータがあります。つまり、足元に眠っているリストの掘り起こしこそが、最も利益率が高く、真っ先にやるべき施策なのです。
3. あなたの「当たり前のノウハウ」を現金化する
あなたにとっては毎日の業務で「当たり前」になっている技術や知識も、素人から見れば喉から手が出るほど欲しいノウハウです。
たとえば、社内の面倒な経理作業を自動化するために、自社専用に作り込んだ「スプレッドシート(計算ツール)」があるとします。あなたにとってはただの社内ツールでも、同じように事務作業に追われている同業他社からすればお金を払ってでも欲しい資産です。これを「業務効率化テンプレート」として販売すれば、社内のゴミ(ただのツール)が、永遠にお金を生み続けるデジタル資産に変わります。
まとめ:外を探す前に、内側のゴミを宝に変えろ

いかがだったでしょうか。
- 新規集客でお金を使う前に、自社の「お金を生んでいない資産」を探す。
- 空間、時間、顧客リスト、ノウハウなど、見えない資産は必ず眠っている。
- その資産の「見せ方(オファー)」をずらすだけで、ノーリスクで売上があがる。
「何か新しいことを始めなければ!」と焦る気持ちは分かります。しかし、穴の空いたバケツ(活かしきれていない資産)を放置したまま、新しい水(新規顧客)を注いでも、会社は絶対に豊かになりません。
今日、パソコンを閉じて、あなたの会社の引き出しやスケジュール帳を開いてみてください。「これ、もったいないな」と思うものが一つでもあれば、それがあなたの会社の次の利益の源泉です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. 本文の前半でお話しした「レシート買取アプリ」ですが……。 「1枚10円という買い取り価格は、いくらビッグデータを高値で売るとはいえ、資金繰り的にかなり厳しいんじゃないか?」とプロ目線で心配していたら、案の定、サービス開始からわずか1日で買い取りを一時停止することになってしまいました(笑) なんでも、予想の750倍以上のレシートが集まってしまい、パンクしてしまったそうです。着眼点は大天才ですが、ビジネスの数字(キャッシュフロー)の設計って本当にシビアですよね。
P.P.S. ジェイ・エイブラハムの「松葉が肥料になって3000万」という話ですが、詳しく調べてみると「松葉は酸性が強いから肥料にならない」という意見の方が圧倒的に多かったです。
どうしても気になったので、以前、自分で野菜を植えて「松葉あり」と「松葉なし」でテストをしてみました(笑) 結果としては、松葉ありの方が「若干だけ大きく育った」のですが……鉢の大きさを完全に均一に揃えられなかったので、正直なんとも言えない微妙な結果に終わりました……。やっぱり、机上の空論ではなく自分でテストしてみるのが一番ですね!
P.P.P.S. 本文でお伝えした通り、売上を急激にあげるための最短ルートは、外に新規客を探しに行くことではなく、自社に眠っている「死蔵資産(リストやノウハウ)」を再定義し、マネタイズする構造を作ることです。(これは僕が師事するジェイ・エイブラハムのマーケティングの真髄でもあります)
しかし、「自分の会社のどこに資産が眠っているのか、自分では分からない」「当たり前になりすぎていて、何がお金に変わるのか客観的に見えない」と手が止まってしまう経営者が非常に多いのも事実です。それは、経営者自身がビジネスの内部にどっぷりと浸かり、当事者として最前線で戦っているため、客観的な視点(虫眼鏡)を失ってしまっているからです。
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高い広告費を払って新しい集客に手を出してしまう前に、まずは自社の足元に眠っている「宝の山」を客観的にチェックしてみてください。
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