From:西田貴大
つい先日、僕が数少なく見ているテレビ番組の1つだった『スーパープレゼンテーション』が終わってしまいました。
基本的に自分の学びになる番組しか見ないのですが……学びになる番組は視聴率があまり良くないのか、だいたいすぐに終わってしまいますね(苦笑)
この番組は、アメリカの大規模なプレゼンイベント『TED』のプレゼンテーションを厳選して紹介してくれる番組でした。星の数ほどあるTEDのプレゼンの中から「いったいどれを見ればいいのか分からない」という時に非常に便利だったのです。
というわけで今回は、6年間続いたこの番組の中で、僕が最も印象に残っている「営業や交渉の心理学」に通じる素晴らしいプレゼンをシェアしようと思います。
100日間、わざと人に断られ続けるチャレンジ

そのプレゼンとは、ジャ・ジャン氏による『100日間拒絶チャレンジで学んだこと』というものです。
彼は幼少期に「人から拒絶されること」に対して深いトラウマを持ってしまい、大人になっても人の目が気になって挑戦できない自分に悩んでいました。
そして、そのトラウマを克服するために彼が始めたのが…… 「100日間、あえて断られそうな突飛なことを人に頼み、拒絶されることに慣れていく」 という、とんでもないチャレンジだったのです。
記念すべき1日目の課題は、「見ず知らずの人から100ドル借りる」というもの。 彼は勇気を振り絞って頼んでみたものの、相手から「ノー」と言われた瞬間、恐怖のあまり会話も交渉もせずにその場から逃げ出してしまいました。
しかし、彼はその経験から「明日からは、何が起きてももう絶対に逃げない」と決意します。
そこから彼は、「ファストフード店でハンバーガーのおかわりを要求する」「知らない人の家の庭に花を植えさせてもらう」など、無謀なチャレンジを繰り返していきます。
「ノー」を「イエス」に変える2つの魔法の言葉

そして、チャレンジを続けていく中で、彼の人生を変える大きな気付きが生まれます。 残りの「拒絶セラピー」を通して、彼は営業や交渉において非常に強力な、2つの「魔法の言葉」を発見したのです。
魔法の言葉①:「なぜ?」と理由を聞く
ある日、彼は知らない人の家に行き「あなたの家の庭に、この花を植えてもいいですか?」と聞きました。
当然、家の主の返事は「ダメ(ノー)」です。 ここまではいつも通りですが、彼は逃げずに魔法の言葉を口にしました。
「なぜですか?」
すると相手は、「うちは犬が庭を掘り返して花をダメにしちゃうからだよ。お向かいさんに聞いてごらん、あの人は花が好きだから」と答えてくれ、結果的にお向かいさんがすごく歓迎して花を植えさせてくれたのです。
この課題で彼が学んだのは、断られたのは相手の状況と自分の要望(オファー)が合わなかっただけ(ただのマッチングミス)であり、決して自分自身が否定されたわけではないということです。
【営業での具体例】 営業で「今はいいです」「結構です」と言われたとき、多くの人はすぐに引き下がってしまいます。しかし、そこで「参考までに、なぜ今回は見送られるのか教えていただけませんか?」と聞いてみてください。「予算がない」「時期が悪い」などの本当の理由がわかれば、プランを変えたり時期をずらしたりして、再び「イエス」をもらうチャンスを作ることができます。
魔法の言葉②:相手の疑念を自分から口にする
もう1つの魔法の言葉は、コーヒーチェーン店で「お店の入り口で挨拶係をやらせてほしい」と頼んだときに見つかりました。
頼まれた店長が「どうしようかな……」と迷っているのを見て、彼はこう聞いたのです。
「変でしょ?」
すると店長は「すごく変だね」と笑って答えました。しかし、その瞬間に店長の態度が一変し、猜疑心がスッと消えたように「いいけど、やりすぎないでね」と、なんと許可してくれたのです。
この経験から得た重要な学びは、『人が抱きそうな疑念を自分から先に口にすれば、信頼が得られて「イエス」を引き出せる』ということです。
【営業での具体例】 セールスにおいて、お客さんは必ず「本当に効果があるの?」「ちょっと高すぎない?」という疑念を持っています。それを隠して良いことばかり言うから怪しまれるのです。 「他社と比べて、うちの料金は少し高いと感じますよね? 実はそれには理由があって…」と、売り手側から先に疑念を提示して打ち消してあげる(先回りする)ことで、一気に信頼関係を構築することができます。
営業が怖いなら、絶対にこの動画を見てください
ジャ・ジャン氏は、その後も「お願いするだけ」で次々と不可能に思えた課題をクリアし、奇跡を起こしていきます。(彼がドーナツ店で起こしたとんでもない奇跡は、ぜひ動画で確認してください)
約15分のプレゼン動画ですが、彼が実際にチャレンジを録画した映像や、会場が爆笑の渦に包まれるユーモア、そして最後に彼が語った「拒絶との向き合い方」のメッセージは、文章だけでは到底伝わりきらないほどの熱量を持っています。
営業やセールスが苦手だという方、あるいは人に断られるのが怖くて行動できないという方は、絶対に見て損はありません。ぜひ、以下の動画を再生してみてください。
【TED動画:100日間拒絶チャレンジで学んだこと】
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. そういえば、営業の神様と呼ばれるブライアン・トレーシー先生も、自身の著書の中でこう言っていました。
「なんでもいいから、まずは100回セールスをして『拒絶』に慣れろ」
営業において、お客さんから「ノー」と言われるのは、あなたの人格が否定されたわけではありません。ジャ・ジャン氏が花を植えようとしたときのように、ただ単に「お互いの条件が合わなかった」だけのことです。
ですから、断られることを恐れずにオファーし続ける精神力は、ビジネスにおいて非常に重要です。
……しかし、ここでコンサルタントとして、一つだけ残酷な事実をお伝えします。
もしあなたのビジネスが、「ターゲットの深い悩み(需要)」と「あなたの商品(オファー)」がまったく噛み合っていない構造だったとしたらどうなるでしょうか?
その状態で、気合と根性だけで100回セールスに突撃すれば、見事に100回連続で断られます。これは「拒絶に慣れるための訓練」ではなく、ただ心が折れて時間と労力を無駄にするだけの「労働地獄」です。
営業の心理テクニックや「断られる勇気」に頼る前に、まずは「そもそも断られにくい強固なオファー(構造)」を作ることが、経営者にとっての最優先事項なのです。
現在、あなたのビジネスの隠れた課題(オファーの弱さや構造のズレ)を論理的にあぶり出す『マーケティング・ボトルネック診断』を無料で公開しています。
いくつかの質問に直感で答えていくだけで、あなたが今すぐ対処すべき「本当の課題」と、次に打つべき具体的な一手が見えてくるはずです。
売れない理由を自分の営業力のせいにするのはもう終わりにして、無理な売り込みをしなくても自然と「イエス」と言ってもらえる強固なビジネス構造を作っていきましょう。
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