年商500億企業(パール金属)に学ぶ!マーケティングと営業の「5つの不変のルール」

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From:西田貴大(香川県のマーケティングコンサルタント)

先日、自宅のレコーダーのハードディスク残量が残り1時間になっていたので、録画していたビジネス系番組『カンブリア宮殿』を消化していました。

今回取り上げられていたのは、職人の町である新潟県三条市にある、年商510億円の企業『パール金属株式会社』。

ホームセンターの調理器具コーナーに行くと並んでいる、リンゴの皮剥き機や、保温ボトルに入れやすいおたまなどなど……数々の「アイデア便利グッズ」を生み出しているスゴい会社です。(年間2000種類以上の新商品を出しているそうです)

この番組を見ていて、マーケティングと営業における「絶対に外してはいけない不変の原理原則」が見事に詰まっていたので、コンサルタントの視点から5つの教えとしてシェアしたいと思います。

目次

教え1:机の上で悩むな。市場に出して「テスト」しろ

パール金属の商品づくりは、まさに超高速です。 開発部員が思いついたアイデア(ラフスケッチ)を部長がパッと見て、面白いと思ったらすぐにGOサイン。最短20日で試作品を作り、次々とハイスピードで店に送り込んでいきます。

提案された商品の約7割を即商品化するという異常なスピードについて、開発部長はこう語っていました。

「私たちが『売れる』と思っても売れないものはたくさんあるし、逆に『売れない』と思ったものが爆発的に売れることもたくさんあります。それは市場に出さなければ絶対に答えは出ない。 社内の会議室で結論を出すのはナンセンスなんです」

どうですか? まさにその通りですよね。 僕がいつもこのブログで「とにかく小さく早くテスト(実験)しろ」と口酸っぱく言っている理由はこれです。売れるかどうかの答えは、社長の頭の中ではなく「市場(お客さん)」だけが持っているのです。

教え2:ゼロから作るな。売れているものを「徹底的にパクる(TTP)」

パール金属の会長(高波久雄さん)は、今ではどこの家庭にもある「ステンレスのおたま」や「バーベキューコンロ」を日本で最初に売り出して大ヒットさせた人物です。

しかし、彼はゼロからそのアイデアをひらめいたわけではありません。

  • ドイツに行ったとき、店に並んでいた「ステンレスのおたま」を見て「なるほど」と思い、日本で作って売った。
  • フランスに行ったとき、「バーベキュー」をしている人を見て「日本にもこの時代が来る」と思い、コンロを作って売った。

ビジネスにおいて、「誰も見たことがない完全オリジナルのアイデア」なんて必要ありません。 うまくいくマーケティングの原則は、「他の場所でうまくいっているものを探し出し、自分のビジネスに徹底的にパクる(TTP:徹底的にパクる)」ことなのです。

教え3:悩みを解決できる「価値」があれば、高くても売れる

当時、日本にはアルミ製のペラペラなおたま(20円〜30円)しかありませんでした。 そこに会長は、頑丈なステンレス製のおたまを「200円」という約10倍の強気な価格で売り出しました。結果は、日本全国で飛ぶように売れる大ヒット。

会長はこの経験から、「値段が高くても、良いものは売れる」ということに気づいたそうです。

お客さんは「安いから」買うのではありません。アルミ製ですぐ曲がってしまうという「悩み(不満)」を解決し、ずっと使えるという「価値」をきちんと提供できれば、価格なんて関係なく商品は売れていくのです。

教え4:当たりが出た手法に「一点集中」する

そんな先見の明がある会長ですが、18歳で金物問屋の営業マンとして働き始めた頃は、口下手でまったく注文が取れなかったそうです。

ある日、休日に担当する店の前を通りかかると、お店が忙しそうだったので「作業を手伝ってあげる」ことにしました。 すると夕方、店主から突然封筒を渡されました。中には、今までもらったこともないような「大量の注文書」が入っていたのです。

ここで会長がすごいのは、「これはいい方法だ(当たりだ)!」と気づき、次の日曜日も別の得意先に行って同じように手伝いをしたことです。

次から次へと注文書をもらい、なんと口下手の18歳の新人が、あっという間に30人の営業マンの中でトップになりました。 マーケティングでも同じです。テストをして「おっ、これは反応がいいぞ」という『当たり』のポイントを見つけたら、そこに徹底的にお金や時間を集中投資することが勝負の分かれ目になります。

教え5:売る前に、まず「信頼関係」を構築する

番組の中で、会長は営業のコツについてこう語っていました。

「商品を売るだけじゃなく、お客さんのために喜んでもらえることをやるのが大事。まずはお客さんとの信頼関係を築く(かわいがってもらう)こと。それが基本ですよ」

僕がセールスを学んだ「営業の神様」ことブライアン・トレーシー先生も、「営業の全体の40%の時間を、信頼関係の構築にかけろ」と言っています。

結局のところ、マーケティングもセールスも「信頼関係」がすべてです。人は、よく知らない人からではなく「自分が信頼している人」から物を買いたい生き物だからです。

【※余談】会長の「ある発言」への猛烈なツッコミ

さて、素晴らしい教えが詰まった番組でしたが……一つだけ、どうしても僕がツッコミを入れたいシーンがありました(笑)。

司会の村上龍さんが「年間2000もの新商品を出したら、今までの商品が売れなくなるのでは?」と質問したときの、会長の答えです。

会長:「同じモノを毎日売っていると、飽きるんですよ。毎日並んでたらお客さんも飽きるし、バイヤーも飽きる。新しくしていかないとダメなんです」

僕:「……いや、お客さんは飽きへんわ!!」

これ、広告業界でもよくある「最悪の失敗パターン」なんです。 「この広告(商品)、ずっと出してるから飽きたよね。そろそろ変えよう」と言うのは、毎日それを見ている『作っている側(売る側)』だけです。

毎日毎日、ホームセンターのキッチン用品コーナーに張り付いて商品を見ているお客さんなんていません(笑)。 反応が取れている(売れている)広告や商品は、売り手が飽きたからといって絶対に変えてはいけません。ここは反面教師にしてくださいね(笑)。

年商500億の戦略を、スモールビジネスが今日から真似する方法

「パール金属のような大企業だからできるんでしょ」と思うかもしれませんが、この5つの教えは、規模が小さな会社にこそ強力に機能します。

たとえば、あなたが小さな店舗やコンサルタントをしているなら、以下のように当てはめてみてください。

  • テストする(教え1): いきなり完璧な新商品や立派なホームページを作るのではなく、まずは手書きのチラシやSNSの投稿で「こんな商品があったら欲しいですか?」と、お金をかけずにお客さんの反応(テスト)を見る。
  • 徹底的にパクる(教え2): 同業他社を見るのではなく、「まったく違う業界」でうまくいっているサービス(たとえば美容室のサブスクリプションなど)を、自分の業界に持ち込んでみる。
  • 一点集中する(教え4): 色々な集客方法に手を出して体力を分散させるのではなく、「チラシからの問い合わせが一番多い」と分かったら、ブログやSNSを一旦やめて、すべての予算と時間をチラシに一点集中させる。

大企業のように年間2000個の商品を作る必要はありません。 「小さくテストして、当たったところに一点集中する」という構造さえ作れれば、スモールビジネスの売上は確実に、そして安全にあがっていくのです。のです。

まとめ

かなり長くなってしまいましたが、年商500億企業から学ぶ「うまくいくマーケティングと営業の5つの教え」は以下の通りです。

  1. 机上で悩むより、まず市場に出して「テスト」をする
  2. 他の場所でうまくいっているものを「徹底的にパクる(TTP)」
  3. 悩みを解決する「価値」を提供すれば、高くても売れる
  4. 当たりが出た手法に、時間とお金を「集中投資」する
  5. 売る前に、必ず「信頼関係」を構築する

ぜひ、この5点を意識して、あなたのビジネスのマーケティング戦略を点検してみてください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

西田貴大

【おまけ:営業マンには6つの犬のタイプがある】

パール金属の会長さんは「休日に店を手伝ってかわいがってもらう」という方法でトップ営業マンになりましたが、実はこれ、全員が真似できる手法ではありません。

『金持ち父さん 貧乏父さん』のロバート・キヨサキ氏のアドバイザーでもあるブレア・シンガーによれば、営業マンは6つの犬のタイプ(ピットブル、ゴールデンレトリバー、プードル、チワワ、バセットハウンド、ビッグドッグ)に分かれるそうです(書籍:セールスドッグより)。

会長さんがやったのは、人懐っこく尽くす「典型的なゴールデンレトリバー」の営業手法です。 ちなみに僕はというと……確実に、ひたすらデータと論理にこだわる「チワワ」がメインで、少し「バセットハウンド」が混じっているタイプです(笑)。

自分のタイプ(強みと弱み)を知らずに、他人のやり方を無理に真似しても絶対にうまくいきません。自分のビジネスの勝ち筋を見つけるためにも、まずは自社の構造を客観的に知ることが大切ですね。


P.S. 本文の「教え3(高くても売れる)」でお伝えした通り、ビジネスを豊かにするためには、安い商品を大量に売るのではなく、お客さんの悩みを解決する『高単価な商品』を売るのが正解です。

しかし、多くの経営者は「うちの商品を高くしたら、誰も買ってくれないんじゃないか」という恐怖から抜け出せず、利益の出ない安売り労働地獄にハマってしまっています。

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いくつかの質問に直感で答えていくだけで、あなたが今すぐ対処すべき「本当の課題」と、高単価でも喜んで買ってもらえる構造を作るための具体的な一手が見えてくるはずです。

売れない理由を小手先のテクニックのせいにするのはもう終わりにして、お客さんから信頼され、確実に利益が残る強固なビジネス構造を作っていきましょう。

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