From:西田貴大
「断る理由がないほど強力なオファー(提案・条件)を作ったのに、なぜかお客さんに断られてしまうんです……」
僕がコンサルティングをしていると、マーケティングを熱心に学んでいる経営者の方から、こうした相談を受けることがあります。
商品の質は高い。特典も山盛りにつけた。全額返金保証も用意した。 まさに「これを買わないなんてあり得ない」という完璧なオファーを提示しているはずなのに、いざ商談になると「ちょっと考えさせてください」と逃げられてしまう。
「もしかして、オファーの内容がまだ弱いのでしょうか?」と彼らは言いますが、本質的なことを言わせてください。 あなた渾身のオファーが通らない本当の理由は、特典の数や保証の内容といった「条件面」の問題ではありません。
オファーを提示した瞬間にあなたが発している「見えない要素」が、お客さんの心に強烈な不信感を抱かせているのです。
激痛の注射を「軽いトーン」でオファーしてきた医者の悲劇

この「見えない要素」の恐ろしさについて、少し僕の個人的な話をさせてください。
先日、突発性難聴のような症状が出て病院にかかったときのことです。 聴力検査の結果、一番治りにくいとされる「4000Hz」以外の部分は健全な状態に戻ったんですが、4000Hzの聴力だけがあまり回復していませんでした。
といっても、4000Hzがどんな音かわからなかったので、パソコンで試しに音を出してみたんですよね。(鈴虫の鳴き声くらいの高音です)
そしたら……もう爆笑ですよ! 「キーン」ってめちゃめちゃうるさい音が鳴っているのに、左耳を塞いだ途端、右耳からはぱったりと聞こえなくなるんです。あまりの落差に自然と笑けてきました。
しかもタチが悪いことに、難聴になってから右耳でずっと鳴っている「耳鳴り」が、明らかに4000Hzの音だったんです(笑)。 そりゃあ、耳の中でずっと4000Hzが鳴り響いていれば、検査で4000Hzを流されても聞き取れるわけがありません。
そんなわけで回復が悪かったため、お医者さんに「ここ(4000Hz)はもう戻ってこないかもしれない」と言われたのですが、まだ奥の手があるとお医者さんはこう提案(オファー)してきました。
「耳の奥に注射を打てば早く治るかもしれないんですけど、打ちます?」
まるで「食後にコーヒーつけます?」くらいの、めちゃくちゃ普通の軽いトーンでした。 僕も音楽が好きで聴力は大事なので、何の躊躇もなく「じゃあ、お願いします」とそのオファーを受け入れたんですよね。
そしたら……これがもう、鼓膜の内部に直接薬を注入するわけですから、麻酔が切れた後に地獄のような激痛とすんごい違和感が襲ってきたんです。
いやいや、ちょっと待ってくれと。 こんな激痛を伴う重大な治療なら、「ものすごく痛いですし覚悟がいりますが、やりますか?」と、もっと重くて真剣なトーンで提案するべきですよね。 軽いトーンでオファーされたから、僕は「大したことない軽い注射だ」と完全に勘違いしてしまったわけです。
素晴らしいオファーを「自信のないトーン」で台無しにしていないか?

実はこれと全く同じ、いや、これとは「逆のミスマッチ」を、売上に悩む多くの経営者がセールスの場でやってしまっています。
心の中では「このオファーは絶対にお客さんのビジネスを変える最高の条件だ!(重大な提案)」と思っているのに、いざ金額や条件を提示するクロージングの場面になると、
「もしよかったら、ご検討ください……」
「少し高いかもしれませんが、これだけ特典もついてますし……」
と、途端にトーンが弱々しくなり、目が泳ぎ、声が小さくなってしまう。
これでは、先ほどのお医者さんの例と同じです。 いくら言葉やスライドで「これは素晴らしいオファーです」と並べ立てても、あなたのトーン(声の調子)やボディランゲージ(身振り手振りや視線)が弱ければ、お客さんは無意識のうちにこう受け取ります。
「あ、この人は自分が提案している内容に自信がないんだな。じゃあ、裏があるのかもしれないからやめておこう」と。
言葉はわずか7%。メラビアンの法則が示す「影響力の正体」

心理学において、プレゼンや対人コミュニケーションで必ず言及される「メラビアンの法則」というものがあります。
相手に何かが伝わるとき、その影響力は以下の比率で決まるという法則です。
- 話の内容(オファーの条件・言葉):7%
- 声のトーン(大きさ・抑揚):38%
- ボディランゲージ(表情・姿勢):55%
つまり、あなたが一生懸命に考えて紙に書き出した「オファーの条件(7%)」は、相手の決断にほとんど影響を与えていないということです。
残りの93%を占める「トーン」と「ボディランゲージ」。 オファーというものは、単なる条件の提示ではなく「お客さんの未来を変えるという約束」です。その約束をする人間のトーンや態度に圧倒的な確信(エネルギー)が乗っていなければ、どんなに素晴らしい条件を並べても、お客さんの心は絶対に動きません。
まとめ:オファーの条件をいじる前に、今日から見直すべきこと

もしあなたが、「完璧なオファーを作ったはずなのに通らない」と悩んでいるなら。 今日から、特典をさらに追加したり、保証の期間を延ばしたりするのはやめてください。
その代わりに、自分が作ったオファーを心から信じ、「この提案を受け入れないなんて、お客さんにとってどれだけの損失になるか」という強い確信を持ち、それにふさわしい堂々としたトーンとボディランゲージで伝えることを意識してみてください。
商談の直前に、優れたカリスマリーダーのスピーチ動画などを見て、彼らの高いエネルギーを自分にインストール(モデリング)してから臨むのも非常に効果的です。
それだけで、お客さんに伝わるオファーの価値は劇的に変わり、成約率は跳ね上がりますよ。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. オファーを通す前に、ビジネスの「土台」は整っていますか?
本文でお伝えした通り、自分のオファーに圧倒的な確信を持ち、自信に満ちたトーンでセールスを行うことは、売上をあげるための非常に強力な武器になります。
しかし、そもそもあなたのビジネスの根本的な「利益を生み出す仕組み」が間違っていれば、どれだけ強力なオファーを通せるようになっても、いつか必ず限界が来ます。
「気合と根性の労働集約型の営業だけで回していて、売上があがるほど自分の時間がなくなってしまう」 「セールスは得意だが、そもそもオファーを聞いてくれる見込み客を集める仕組みがない」
現在、あなたのビジネスの成長を止め、疲弊させている「本当の構造の欠陥」はどこにあるのか?
自社のマーケティングの現状を客観的に見つめ直し、課題を論理的にあぶり出す『マーケティング・ボトルネック診断』を無料で公開しています。
高い成約率を最大限に活かし、お客さんに選ばれ続ける盤石なビジネスを作りたい方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
> 『マーケティング・ボトルネック診断』を受けてみる
https://madmarketing.jp/lp/diagnosis


コメント