From:西田貴大
ビジネスの将来が不安で夜も眠れない…。その最大の原因は、経営における「2つの数字」を把握していないからです。
この記事では、経営の恐怖を完全に消し去る「CPA」と「LTV」という重要な数字の構造と算出方法を解説します。
なぜ、この数字を知るだけで恐怖が消えるのか? それは僕が先日、出張で東京に行った際の「ある体験」に直結しています。
実は先日、出張で東京に行っていたときのことなのですが……。
僕はいつも東京へ行くときは、新幹線ではなく飛行機を使います。(新幹線の方が乗っている時間は楽なのですが、飛行機の方が時間的にも料金的にもお得なんですよね)
その日も朝5時に起きて準備をし、高松空港へ向かいました。 ところが、搭乗予定の飛行機が到着遅れでデッドロック。ようやく機内に乗り込めたのは、予定を大幅に過ぎた9時50分でした。
しかも、あいにく僕の周りの席は、飛行機に乗り慣れていない外国人グループ。リーダーらしき人が他のメンバーにずっと大声で説明していて、いつものように機内でビジネス書を読もうにも、うるさくてまったく集中できません(苦笑)。
ようやく彼らが静かになり、愛知県の上空を過ぎたあたりのことでした。
ガタガタガタガタ……!!!
突然、機体が激しく揺れ始めました。 アナウンスによると、かなり強い乱気流に入ったとのこと。 僕はこれまで何度も飛行機に乗ってきましたが、今回のは過去最高の揺れっぷりでした。
機内には緊張が走り、周りのお客さんも不安そうに身を固めています。 ……そんな中、僕はどうしていたかというと。
隣で騒いでいた外国人が静かになったのをいいことに、機内で平然と読書を続けていました(笑)。
なぜ、激しく揺れる機内で「平然」としていられたのか?(データと安心感の法則)

もちろん、僕が恐怖を感じないサイボーグなわけではありません。 僕が平然としていられた理由。それは、「きちんとした数字とデータ」を把握していたからです。
統計学上のデータを見れば、飛行機は世界で一番安全な乗り物だということがわかっています。毎日飛行機に乗ったとしても、事故に遭う確率は「8,200年に1回」あるかないか。
(今までの事故の数から見れば、おそらく一番安全なのは新幹線だと思うのですが……この数字は、おそらく新幹線は「電車」というカテゴリーに入っているんでしょうね)
いずれにせよ、「落ちることなんて、ほぼあり得ない」という客観的な数字を知っているからこそ、僕は機体がどれだけ揺れようとも、何の不安もなく本を読み続けることができたわけです。
「正体のわからない幽霊」は怖いですが、「正体がわかっている数字」は怖くありません。
これは、ビジネスの経営もまったく同じです。
ビジネスの不安の正体は、常に「計測不足」にある

多くの経営者が、将来に対して漠然とした不安を抱えています。 それはなぜか? 単純に、自分のビジネスを「数字」で捉えていないからです。暗闇の中で正体不明の幽霊に怯えているのと同じ状態ですね。
逆に言えば、「いくらの広告費を投資したら、いくらのリターンがあるか?」ということを正確に把握してさえいれば、経営における恐怖心は消えてなくなります。
じゃあ、どうやってその数字やデータを把握するのか? ……まぁ、かなり面倒くさいですが、地道に計測していくしかないわけですよね(笑)。
とはいえ、「明日から会社の数字をすべて細かく記録しろ!」なんて言うと、絶対に途中で嫌になってやめてしまうと思います。
なので、あれもこれも計る必要はありません。 経営をするうえで、絶対にこれだけは知っておくべき「2つの数字」にだけ絞って計測してください。
それが、顧客獲得単価(CPA)と顧客生涯価値(LTV)です。
経営の舵取りを支える「CPA」と「LTV」の構造

それぞれ簡単にご説明しますね。
1. CPA(顧客獲得単価)
これは「見込み顧客を1人獲得するためにかかった費用」のことです。 (※CPO(コスト パー オーダー)やCPL(コスト パー リード)などいろいろありますが、ここではわかりやすくCPA(コスト パー アクション)で統一します)
CPA = かかった広告費 ÷ 獲得できた見込み顧客数
たとえば、10万円の広告費を使って100人の見込み顧客が獲得できたなら、あなたのビジネスのCPAは「1,000円」ということになります。
2. LTV(顧客生涯価値)
ここで、絶対に混同してはいけない重要なポイントがあります。 それは、「既存のお客さんのLTV」と、「見込み顧客のLTV」はまったく別物だということです。
通常の「既存のお客さん1人あたりのLTV」は、「1回あたりの平均粗利額 × 1年間の平均取引回数 × 利用してくれる平均年数」で出します。 (※これは、すでに商品を買ってくれた人が、その後どれくらい利益をもたらしてくれるか、という数字です)
なかには、「うちは不動産やリフォームのように、お客さんが一生に1回きりしか買わない(リピートしない)業種なんだけど……」と思う方もいるかもしれません。
ちなみに僕自身、宅建の資格を持っているのでそういった業界の事情はよくわかるのですが、「1回きりのビジネス」であっても、プロのマーケターはそこで計算を終わらせません。
たしかに、その商品自体を買うのは1回きりかもしれません。 ですが、家を建ててくれたお客さんが、後日、家を建てたい別の友人を「紹介」してくれたとしたらどうでしょうか? その紹介によって生まれた利益も、元のお客さんが生み出したLTVとして計算に含めることができます。
さらに、家を買ってくれたお客さんに、提携している引っ越し業者や火災保険を紹介して、そこから「JV(ジョイントベンチャー)の紹介報酬」をもらえたとしたら?


あるいは、いきなり高額な家を売るのではなく、まずは数千円の「失敗しない家づくりセミナー(フロントエンド)」を開催し、そこに参加した見込み顧客の中から、後日家(バックエンド)を建ててくれる人が出たとしたら?
これらもすべて、最初に獲得した「見込み顧客リスト」から派生して生まれた立派な利益です。 ここまで徹底的に計算に入れると、「えっ、1回きりだと思ってたうちの見込み顧客って、実はこんなに高い価値があったの!?」と驚く経営者さんが非常に多いんですよ。
当然ですが、見込み顧客の全員が商品を買ってくれるわけではありません。 だからこそ、以下の計算式を使って「見込み顧客1人につき、いくらまでなら広告費を使えるのか?」という基準(上限)を出す必要があります。
見込み顧客1人あたりのLTV = その見込み顧客リスト全体から生まれた総粗利(※紹介やJVの利益も含む) ÷ 獲得した見込み顧客数
たとえば、広告で100人の見込み顧客(まだ買っていない人)を獲得して、そのうちの「1人だけ」が100万円を使ってくれたとします。
この場合、買ってくれた既存のお客さんのLTVは「100万円」ですが、見込み顧客1人あたりのLTVは「100万 ÷ 100 = 10,000円」となります。
要するに、100人集めて残りの99人が直接商品を買わなかったとしても、全体で見れば「見込み顧客を1人獲得するごとに、10,000円(+紹介やJVの利益)の価値を生み出している」ということです。
「勝てるギャンブル」の構造を作る

この2つの数字が出揃うと、経営の景色はどうなるでしょうか?
- 見込み顧客1人を連れてくるコスト(CPA):1,000円
- 見込み顧客1人がもたらす利益(LTV):10,000円
つまり、このケースだと「見込み顧客を1人獲得するために、10,000円までならコストをかけても赤字にならない」というギリギリのラインが明確にわかります。
1,000円を入れて10,000円が返ってくる構造ができているなら、いくら広告費を使っても怖くありませんよね。ビジネスの将来に対する不安は、かなり減るはずです。
あとは、この2つの数字を改善していくだけです。 CPAを下げるために広告のメッセージを改善し、LTVをあげるために商品のオファーを強化する。(ここを改善するのが、僕のようなマーケティングコンサルタントの出番ですよ! 笑)
もし計算してみて「赤字の構造」になっていたとしても、落ち込む必要はありません。それは商品が悪いのではなく、お客さんに伝えている『メッセージ(言葉)』に摩擦が起きているだけだからです。
このように、ビジネスの経営状態は、数字の把握と改善によってどんどん良くなります。
ぜひ、あなたのビジネスの現状把握を、一度時間を取ってやってみてくださいね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
西田貴大
P.S. ちなみに、帰りの飛行機も同じ外国人グループと一緒でした(笑)。
その日も朝イチでアポがあり、連日の5時起きで寝不足だった僕は、「よし、集中できないなら瞑想しよう!」と思って目を閉じたのですが……。
気づいたら、口をポカーンと開けて爆睡していました。 あのうるさかったはずの機内で、我ながらすごい適応力です(めっちゃ恥ずかしい)。
P.P.S さて、本編で「数字を計測して改善する」というお話をしました。
「CPAがLTVを上回ってしまっている(赤字構造になっている)」
「改善したいが、どこから手をつけていいかわからない」
もしあなたが今、そんな状態なら、真っ先に見直すべきは「メッセージ(言葉)」です。小手先のテクニックではなく、あなたがお客さんに発している言葉そのものが、見えない摩擦を生み、数字を悪化させている最大の原因だからです。
あなたのメッセージがなぜ売上をあげることに繋がっていないのか? その隠れた構造の欠陥をあぶり出す『マーケティング・ボトルネック診断』をご用意しました。
広告費を無駄に垂れ流す前に、まずは自社のメッセージのどこに問題があるのか、客観的にチェックしてみてください。
> 『マーケティング・ボトルネック診断』を受けてみる
https://madmarketing.jp/lp/diagnosis


コメント