ビジネスの泥沼から抜け出す!経営者のための「正しい問題解決と意思決定」3つの思考法

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From:西田貴大

ビジネスをしていると、必ず「問題」って起こりますよね。 しかし、もしあなたのビジネスで「似たような問題が何度も何度も繰り返し起こっている」ようなら……それは非常に危険な合図です。

経営者は日々、たくさんの問題解決や重要な決断を迫られます。そのときに「思考の土台」が間違っていると、いつまで経っても問題は解決せず、お金と労力ばかりがすり減っていきます。

今日は、ビジネスの泥沼から抜け出すための「正しい問題解決と意思決定の3つの思考法」についてお話しします。

目次

思考法①:「モグラたたき」をやめ、根本原因を叩く

何度も同じ問題が起こっていると、人間は慣れてきて「こういう問題が起きたときは、こう対処すればいい」と、対処法(ごまかし方)ばかりが上手くなっていきます。

しかし、なぜその問題は何度も起こるのでしょうか? 僕が中学生のころに経験した「ネコとノミの多分1000日ぐらい戦争」という笑えない実体験があります。

ある梅雨の時期、僕の足がネコのノミに大量に噛まれました。家の中でノミを探しても見つからないため、全部屋にバルサンを焚いて一掃しようとしました。 しかし、バルサンは生きているノミには効いても、死骸の中の「大量に産まれた卵」にはまったく効きません。結果、また卵からかえったノミに噛まれ続け、ノミ取り機を買い、バルサンを焚いてはコロコロで掃除をして……というイタチごっこを毎年繰り返すことになりました。

なぜ、問題が解決しなかったのか? それは、僕がやっていたのが「出てきたモグラ(ノミ)をたたく」という表面的な対処だけであり、問題を引き起こしている『本当の問題(根本原因)』を放置していたからです。

我が家にノミを運んできていたのは、向かいの家の「野良猫に毎日食パンを与えているおばちゃん」でした。 近隣住民も車の傷やカラスの糞害で大迷惑していたため、総出で被害状況をまとめ「ネコ(と、エサやり)をなんとかしてくれ」と嘆願書を提出しました。その結果、おばちゃんもきちんとネコを飼うことになり、我が家にノミが現れることは二度となくなりました。

デジタルの世界でも「根本解決」は同じ

これとまったく同じことが、デジタルの世界でも起きます。 以前、僕のパソコンに毎日200件以上の迷惑メールが届くようになったことがありました。最初はメールアドレスのドメインを受信拒否していましたが、相手もドメインを少しずつ変えて送ってくるため、まさに「モグラたたき」状態でキリがありませんでした。

そこで、メールのヘッダーを開き、複数のサーバーを経由する前の「大元の送信元(根本原因)」を特定して、その人からのメールを受け取らないように設定したところ……200件の迷惑メールがその日からピタッと止まったのです。

ビジネスでも、これとまったく同じことが頻繁に起きています。 クレームが起きるたびに謝罪のマニュアルを充実させたり、売上が下がるたびに場当たり的な値引きキャンペーンを打ったりするのは、バルサンを焚いてノミの卵を放置しているのと同じです。

ユニクロの創業者である柳井正さんも、著書の中で『経営者はハエタタキにならず、本質的な問題解決をせよ』と言っています。ビジネスで問題が起きたときは、その問題自体(目の前のハエやノミ)を見るのではなく、「その問題を引き起こしている『前のプロセス(根本)』はどこか?」を突き止めることに全力を注いでください。

……とはいえ、「じゃあ、その見えにくい根本原因って、具体的にどうやって見つければいいの?」と思いますよね。 その具体的な深掘りの手順(トヨタ式の問題解決法など)については、長くなるので以下の記事でがっつり解説しています。モグラたたき状態から確実に抜け出したい方は、必ずこちらを読んでおいてください。

思考法②:「意見」と「事実(数字)」を明確に分ける

根本原因を突き止めた後、次に必要になるのが「正しい情報を見極める力」です。
せっかく問題の本質を見つけても、世の中の多くの人はここで「意見」と「事実」をごちゃ混ぜにして間違った判断を下してしまいます。

以前、ネットニュースで『自然エネルギーが自然にやさしいという嘘』という刺激的なタイトルの記事を読みました。 「自然エネルギー(太陽光や風力)は自然にやさしい」というのは、見栄えの良い『意見(イメージ)』です。

しかし記事のデータを引用すると、水力発電で火力発電と同じエネルギーを得るには「約4万倍」もの水が必要になります。太陽光や風力に至っては、水力発電のさらに5倍の開発面積が必要であり、そもそも太陽光パネルを作る際と捨てる際に、発電量の実に4倍ものエネルギーが必要になるという『事実』があります。 (1万円札を4万円で買うようなものですよね)

意見(イメージ)だけで判断すると、環境を守るつもりが、無駄に自然を破壊して効率の悪いものに投資することになります。国会などの議論がいつまでも平行線をたどるのも、事実を置き去りにして「誰それがこう言っている(意見)」だけで感情的にひた走るからです。

これはビジネスでもまったく同じです。 「最近、お客さんの反応が良い気がする」「あの広告はダメだと思う」といったスタッフや自分の『意見(感情)』で経営判断をしてはいけません。情報は、常に都合のいいように操作されるものです。

「社長、最近チラシの反応が落ちてますね。デザインが古いから新しくしましょうよ(意見)」ではなく、「社長、チラシのCPA(顧客獲得単価)が先月から1,500円悪化しています(事実)」という報告でなければならないのです。

ビジネスにおいて、残酷なまでに事実を教えてくれるのは『数字』だけです。 ビジネスの状況を正しく把握するために、LTV(顧客生涯価値)やCPA(顧客獲得単価)といった数字(事実)をしっかりと計測し、それをもとにドライな決断を下すようにしてください。

※CPAとLTVの考え方については、こちらの記事で詳しくお話ししています👇

思考法③:サンクコストを捨て「ゼロベース」で考える

そして、事実(数字)をもとに客観的な状況を把握したあと、最後に立ちはだかるのが「過去のしがらみを捨てて決断する」という壁です。

僕は昔、UEFAチャンピオンズリーグを毎年欠かさず観ていたほどのサッカー好きなのですが、日本代表の試合などで「PK」の場面を見るたびに、いつも思うことがあるんですよ。

「なんでみんな、とっとと真ん中に蹴らないの?」と。

実はサッカーのPKって、データで見ると他のコースに蹴るよりも「真ん中に蹴った方が、成功率が7%も高い」んです。(※2018年追記:この記事を書いた翌年のロシアW杯コロンビア戦で、香川選手がもぎ取ったPKも、まさにこの成功率が一番高い「ほぼ真ん中のコース」でしたね。見事にデータが証明されました!)

では、なぜ選手たちは、一番確率の高い真ん中に蹴らないのでしょうか? それについては、スティーヴン・レヴィットとスティーヴン・ダブナーの著書『0ベース思考』の引用が非常に本質を突いています。

一番大きな理由は、『恥をかきたくない』という気持ちです。 もし、真ん中に蹴り込んで、どういうわけかキーパーが仁王立ちのまま一歩も動かず、真正面のシュートを腹で受け止めたとしたら?……みじめにもほどがあるし、国民からの相当な非難の対象になるはずです。 だからキッカーは、「普通にサイドに蹴り込もう。キーパーに読まれて止められるかもしれないが、雄々しく攻めたことには変わりないし、ひどい非難を受けることもないはずだ」と考え直すのです。

キッカーは、「ヘタすると恥をかくようなことは避けて、自分の体面を守る」という利己的なインセンティブに従ってボールをサイドに蹴り込みます。 このように、人は色々なことを言い訳にして、一番合理的な選択を避けてしまう傾向があります。

経営の「撤退」を決めるゼロベース思考

では、これをビジネスの決断に当てはめて「ゼロベース」で考えるとはどういうことでしょうか?

たとえば、あなたが経営するある事業が上手くいっていないとしましょう。今、あなたはその事業を撤退するか、継続するかで悩んでいます。 そのとき、おそらくあなたの頭の中にはこんな考えが渦巻いているはずです。

「今まで、この事業に3000万円もの投資をしてきたんだ」
「これだけの時間と労力をかけてきたのに、もったいない」

こう考えてしまうのはよく分かります。しかし、重要な決断を下すときに、こんな考えは絶対に捨てるべきです。これらを加味して考えてしまうと、撤退するという合理的な選択肢が選びにくくなります。 このように、多くの人がそれまでにかかったコストや時間、労力を気にしてスパッと切り捨てることができず、ダラダラと損をし続けてしまう心理傾向を『サンクコスト(埋没費用)バイアス』と言います。

このような悩みにぶち当たったときにまず考えるべきなのは、それまでにかかったコストをいったん無かったことにして、すべてをゼロ(何もなかった状態)に戻して考えることです。

「もし今、何も始めていなかった(ゼロの)状態だと仮定して、この結果になると分かっていたら、今からこの事業を始めるだろうか?」

この質問に対する答えが「NO」なら、過去の投資額など一切気にせず、その事業は今すぐスパッとやめてしまえばいいのです。

まとめ:あなたの思考のボトルネックを見つけよう

いかがだったでしょうか。

  • 表面的なモグラたたきをやめ、根本原因(プロセス)を叩く
  • 「意見」に流されず、残酷な「事実(数字)」を見て判断する
  • サンクコストを捨てて、「ゼロベース」で決断する

この3つの思考法を徹底するだけで、ビジネスの無駄なトラブルや損失は激減し、仕事の生産性は圧倒的に高まります。 問題が発生したときは、この思考法を思い出して、根本部分さえ解決してしまえば、もうその問題に時間と労力を奪われることがなくなりますよ。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

西田貴大


P.S. 今回お伝えした「3つの思考法」はビジネスの鉄則ですが……自分のビジネスのことになると、経営者はどうしても当事者として内部に浸かりすぎてしまい、「今、自分がモグラたたきをしていること」や「数字ではなく感情で判断していること」に気づけなくなるものです。

「毎日忙しく走り回っているのに、なぜか利益が手元に残らない…」
「同じようなミスやクレームが何度も起きてしまう…」

もしあなたがそう感じているなら、あなたのビジネスの構造自体に、根本的な原因(ボトルネック)が潜んでいる可能性が高いです。

現在、あなたのビジネスがなぜ停滞しているのか、その隠れた構造の欠陥を論理的にあぶり出す『マーケティング・ボトルネック診断』を無料で公開しています。

いくつかの質問に直感で答えていただくだけで、今すぐ対処すべき「本当の課題」と、次に打つべき具体的な一手が見えてくるはずです。モグラたたきで体力を消耗し尽くしてしまう前に、まずは客観的な視点でビジネスの根本原因を診断してみてください。

> 『マーケティング・ボトルネック診断』を受けてみる
https://madmarketing.jp/lp/diagnosis


P.P.S. 本文の前半で、僕が毎日200件来る迷惑メールの「大元」をブロックした話をしましたが……実は、迷惑メールに対して受信拒否などの対処をするのではなく、あえて相手に「ふざけた返信」をし続けて、斜め上の逆襲をしたイギリスのコメディアンのTED動画があります。

ビジネスの根本解決とは少し違いますが(笑)、めちゃくちゃ面白くて大爆笑するので、お時間があるときにでもぜひ観てみてください。 ↓ [ジェームス・ヴィッチ:迷惑メールへの返信に行き着く先(TED)]

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